サンプラザ中野くん『Runner』【Runnerは僕らに寄り添う応援歌として】
『Runner (平成30年 Ver.)』が平成ラストイヤーに流れる。走った人、走り続けている人、走りたかった人、みんなこの曲と付き合った。長い人は30年の付き合い。昭和の終わりの爆風スランプに起こった出来事を忘れられず。その後、音楽 ...
小林未奈『誰のせい』
【遠くから流れる音楽が持つ他人性が人の背中を後押し】
最近は人に「頑張れ」と安易に言ってはいけないというのが一般的になってきている。頑張れがプレッシャーになるからだ。では頑張らなくてもいいのかというと必ずしもそうではなくて、頑張れが背中の後押しになる場合も少なくない。ラクダに重い荷物を背 ...
Mr.Children『SINGLES』【守られ続ける確固とした彼らのスタイル】
ミュージシャンがアーチストになるためには自分のスタイルを確立する必要があり、確立したスタイルを築いてしまったら、それを壊すことは難しくなる。期待するファンが存在することと、何よりそれが自分の拠り所になるからだ。
ミスチルの ...
YONA YONA WEEKENDERS『誰もいないsea』
【立ち位置も意味合いも時代とともに変わるシティポップ】
こういうサウンドをシティポップと呼んでいたのはもう既に時代の彼方に去っていったような気がする。彼らのサイトで自らシティポップバンドと書いているし、ジャンルとしてはシティポップというのは今も幅広い音楽シーンの中核に燦然と位置しているのだ ...
立ち耳スコティッシュフォールド『青い森』【潔さの中に期待する気持ちを託してみたくなる】
何ひとつ媚びたところがない真摯さを感じる。彼らが何か突出したものを持っているとは思わない。自分たちにない何か突出したものをなんとか獲得しようという焦りもなく、ただただ今の自分たちが持っているすべてで表現しようという潔さ。こういう潔さが ...
Aphex Twin『T69 Collapse』【この音源を聴くだけで、意識が軽くぶっ飛ぶよう】
9月発売のEPからの曲。ライブ中のビジュアル映像も担当するクリエーター、WEIRDCOREによるMVもご堪能いただきたい。ショートムービー風の明確なストーリーがないため、ストレートなメッセージはつかみにくいが、創造的かつ破滅的、という ...
ベランダの路地『夜に』
【すみっこのすみっこみたいな名前のバンドの、ゴージャスな覚悟の歌】
これは、覚悟である。覚悟の歌である。人にはいろいろな苦しいこと、悲しいことがある。それを避ける術は無い。多分無い。きっと無い。老若男女を問わず、富める者も貧しい者も、みんな悩む。立場が違えば悩みの種類は変わるものの、すべての悩みから解 ...
小南泰葉『3355411』
【その暗号、引用、主張を「読み取れた!」に共感が】
林檎、ナンバガの色濃い影響下であった狂気ともいえる音楽漫画の主人公を思い出した。林檎もナンバーガールもどうなったか知ってる。どうなったのか分からないのは2巻で未完結になってる漫画『少女、ギターを弾く』。3巻が動き出したかと小南泰葉はそ ...
Silk City『Only Can Get Better』【これを聴いて踊らずにいられようか!】
これを聴いて踊らずにいられようか。思わず、反語的物言いから始めてしまったが、何しろ、この聞きなじみのない名前の正体は、DiploとMark Ronsonのユニットなのだ。これはやばい、もう間違いない。曲を耳にすれば、確実に、身体を揺ら ...
ドアノブロック『プラスチック隕石』
【2010年代のアンダーグラウンドにシンパシー】
ポップで怪しい。こういうバンドを見ると音楽はますます細分化しているなあと実感する。作り込んだ世界観からはどこかの大人がアイドルグループも出尽くした感があるから別の手法で変化球を投げてみようなんて思惑でバンドマン志望の若者を寄せ集めて作 ...