角銅真実『Dance』
【全部が溶けてただの模様になる。文明社会のアンチテーゼのよう】
唯泣くだけだった乳児が言葉を喋れるようになる。誰かと意志を疎通させることが出来るようになる。いいことだ、いいことだ。
言葉を覚えるといろいろなことを理解できるようになる。理解するということは、違いを認識できるということだ。 ...
marucoporoporo『Little boy and girl』【アンビエントのその先にあるポップミュージック】
静かに紡ぐように歌われる歌。アンビエントと言っていいのだろうか。アーチストHPのバイオグラフィーにはアンビエントの文字はないが、インタビューの中で「エレクトロニカ〜アンビエントを聴きまくってた時期に出会ったアーティストに影響され、好き ...
Easy Life『Pockets』【皆さん、今年もこの時期がやって来たよ!】
皆さん、今年もこの時期がやって来たよ! 何が来たって、サッカーゲームFIFAの素敵すぎるサウンドトラックから、これは! という曲を紹介する時期が、だ。というわけで、いつも以上に趣味に走ったレビューになってしまうが、今年のFIFA19の ...
スカート『遠い春』【虚しい心理に「無駄ですよ」と声をかけているような】
スカートはもうどのくらい浸透しているのだろうか。一部音楽ファンにはかなりの高い評価を受けているし、じゃあだからといって日本のある程度の音楽ファンが全員知ってるほどのアーチストかというときっとそうでもないだろうし。じゃあ全員が知っていな ...
シンガロンパレード『君も歩けば僕に当たる』【タイトルの意味性を超えたところにある音楽の素晴らしさ】
君も歩けば僕に当たるというタイトルはいかにも意味ありげな雰囲気がプンプンしているけれども、そこの意味性にとらわれすぎるときっとこの曲の良さを見失う。京都出身の彼らシンガロンパレード、初期の鴨川ストリートの映像がYouTubeにアップさ ...
古内東子『Enough is Enough』【足るを知る。そう簡単にいけば苦労などしない】
デビュー25周年の古内東子。それにしてもずいぶん久しぶりのリリースとなるオリジナルアルバムがつい先日、そしてベストアルバムが来月リリースと25周年イヤーにふさわしい展開になってきた。この久しぶりの間に結婚出産をされている様子。1990 ...
ank『ひとりじゃないんだぜ』
【音楽そっちのけでビデオに魅入ってしまって、ちょっと反省】
メチャ大作。この手作り感溢れるMV、冒頭の「まこと0才」がまったく0歳じゃなくてちょっとグロいが、そこを乗り越えてしまえば細部のリアルをまったく省いた大道具小道具が逆に感情移入させてくれる。リアルにしようと頑張ったところでできるわけな ...
なきごと『メトロポリタン』【歌よりギターが何倍も目立つべき音楽だってあるんだよ】
最初聴いたとき、ギターとボーカルがぶつかってるなと感じた。イントロから甲高い音色のギターが小気味よく鳴ってて、歌が始まるとギターリフは一旦消えてドラムとベースのみの上にボーカルが載る。しかしAメロ1周終わるとリフがまた入ってくる。リフ ...
Yves Tumor『Licking An Orchid (ft. James K)』【これが、才能のなせる業、なのだろうか】
読み方に戸惑うこと必至。どうやら、イヴ・トゥモア、と読むらしい。そんなスタート地点からつまずきかねないアーティストだが、是非とも曲を聴いてほしい。そうすれば、この奇才ぶりをまざまざと感じてもらえるはずだ。ミニマルな音なのに、表現豊かな ...
黒木渚『灯台』
【この歌は「愛してる、愛してる」だけを繰り返しているのだ】
ポップスの詞は大体「君が好きだ」「俺は行くぜ」「さようなら」で、後は位置と関係性により、聞く人が求めた喜怒哀楽と融合し、元気に走り出す「さようなら」や苦悩で落ち込む「君が好きだ」が着地する。受け手が求めてなかったらスルーで終了。でもた ...