Angel Olsen『Lark』【真摯な歌声と壮大な展開に圧倒される6分間】
どちらかと言えば、玄人受けするタイプのアーティストだろう。前作は各音楽メディアから、大いに称賛された。4枚目となる今作は、それ以上の評価を受けてもおかしくない。今回の曲について、どう言えばいいか困るのだが、とにかく展開がすさまじい。た ...
フライデーフラワーズ『早起き』【そんなことももうどうでもいいやって気分にさせられてしまった】
早起きっていう歌の歌詞がいきなり「12時に起きようね」ってどういうことなの一体? その場合の「今夜はもう寝ようね」って、それ言ってるのは一体何時なんだまったく? 最近は6時にはきっちり起きる暮らしの人からすればまったく信じられない早起 ...
大野雄介『Raise your flag』【サラリと聴き流されそうだけど、聴いておくべき歌】
そこはかとなく迫ってくる。サラリと聴けば、いやどこかでBGMとして流れてきたら、他の手を止めて聴き入るとかはしないと思う。それどころか流れていることにさえ気付かずに5分が過ぎていくだろう。そしてけっして多くない人だけが、あれ、今なにか ...
小谷美紗子『忘れ日和』
【この小谷美紗子の軽いタッチの曲のなんと安定していることか】
5年8ヶ月ぶりのオリジナルアルバムか。その間なにをしているんだろうと思ったりもするが、20周年企画とか、ライブとか、まあいろいろ。毎年新作をリリースしていかなければ忘れられるぞとレコード会社に追い立てられるのが当たり前で、そのせいで才 ...
FiSHBORN『此処から』【彼女たちの強い歌から、少しだけ顔を上げる力をもらえるような気がする】
「いつか覚める夢を見ている。」大阪高槻のガールズロックバンドによる瞬発力を感じさせてくれる曲は、バンド活動にかける情熱と、ただ熱いばかりではない冷静な視線を織り交ぜながら迫ってくる。そう、バンドは次々に解散する。昨年はチャットモンチー ...
asmi『osanpo』【楽しい夜の散歩の雰囲気が詰まっている】
夜の散歩ってなんか好き。東京にいた頃は深夜だってそこら中に人がいて、コンビニの灯りで街中が煌々と照らされている感じで、ちょっとくらいだけの昼みたいな感じがしてて、夜だか昼だかの区別なんてそんなについていなかったように思う。京都に移って ...
The New Pornographers『Falling Down The Stairs Of Your Smile』【どことなくダサくて愛しい、カナダ発のパワーポップ】
カナダのパワーポップバンドと言えば、まずはSloanが浮かぶ。また、The NinesやThe Elwinsなどの名も挙げられるだろう。パワーポップにはどこかダサさがつきもの。気持ちいいギターコードと泣きメロ、というわかりやすい様式美 ...
底なしの青『真っ逆SUMMER』
【無駄にこだわってる何かについて気付いて欲しいという意図を感じるよ】
実にシンプルなMV。どこかの公園に固定されたカメラの前で、ひとりの女性が曲にあわせてひたすら踊り続ける。リズムなどは合っているものの曲といったい何の関係があるのか、考えてみてもわかるはずないよな。たぶん、関係なんて無い。曲調も歌詞の内 ...
みゆな『進め』
【苦しいタイミングでこういう歌が流れてくるかどうかということも、多分運命なんだ】
ラグビーで盛上がった2019年10月。いやあそりゃあ盛上がりますよね、あんなに強敵相手に勝ち進むと。力をもらえるとか、いや、あなたスタジアムやテレビの前でワアワア言ってただけでしょ。オレも頑張れば高い壁を乗り越えることができるって、否 ...
アカシック『終電』
【はすっぱなサウンドがめっちゃカッコよかった】
アカシックはカッコよかった。はすっぱなサウンドだった。ある辞書には「思慮の浅い軽はずみなこと、言動の慎みがなく浮薄なこと」という説明がある。たしかに「はすっぱ」という言葉には否定的なニュアンスがあって、褒め言葉としては不適当かもしれな ...