鈴木実貴子ズ『問題外』【少数派からの悲痛な声を代弁するように歌うマッチョな歌】
個人的には女版長渕剛と思っている。それは音楽のサウンド的メロディ的リズム的なものを押し出して表現するよりも、歌詞の中に込めたメッセージを押し出して表現することに大きなウェイトが置かれたアーチストだからだ。だったらメロディなんてつけずに ...
The Rolling Stones『Living In A Ghost Town』【家に籠る澱んだ気持ちをストーンズだって同じように味わっているのかと思うと多少気がまぎれる】
外出自粛の日々。日本では自粛だけれど海外では禁止のところもある。音楽ビジネスがライブをメインの収益源にするようになってもう10年20年という感じだけれども、そのライブが感染源として指摘されるものだから、ライブも中止の嵐で。それは仕方な ...
鳴かぬなら『感謝状』
【素晴らし日々が待ち受けているという未来への予感】
淡々と歌われる感謝の気持ち。複雑なことなど一切無い演奏で、朴訥という言葉がふさわしい表現。なのにじんわりと響いてくる。響いてくるというよりも、沁みてくる。温かい気持ちになってくる。音楽の力というのはあるよなあとあらためて感じられる。
Motto Pog『願いの唄』【ソーシャルディスタンティングの見本のようでもあるMV】
青森の若手バンドのMV。なんか違和感がある。なんだろう、なんだろうか。そうだ、距離が離れているんだ。いくつかテトラポッドが見えるのでどこかの港湾の防波堤の上なのだろうか。そこにベース、ギターボーカル、ドラムが並んで、演奏している。それ ...
Dogleg『Kawasaki Backflip』【とりあえず、この曲でも聴いて、もうさ、ぶち上げていこうや】
もやもやだったり、もんもんだったり、すっきりしない今日このごろ。とりあえず、この曲でも聴いてみて。そんで、もうさ、ぶち上げていこうや、って感じ。このMVみたいにガチで物を壊すのはだめだけれど、メンタル的にはこういうの、すげー大事。心の ...
afloat storage『誰かが言う』【ただの縦型MVとは違う、ロック魂を感じるこだわり映像】
MVのタイトル横に「vertical video」と書いてあって、ああ、縦型のビデオねとすぐにわかる。イントロからスマホで撮影したかのような縦型の画面にギターボーカルが歌っている姿が映される。ドラムがフィルインする姿に移り、またボーカ ...
さのめいみ。『ライト』【誰かを暗闇の底に落としてしまうという哀しい価値観】
情感がとめどなく溢れる歌。低音域を地響きのように声が迫ってくる。この低音域で静かに語りかけるような歌には孤独感が180%増しで強調されるような気がする。なんでだろう。世の中には声が高い人も低い人もいて、声が低いから孤独だなんて一般化は ...
星野源『私』
【現代の静かな個人主義のような時代性】
先週あたりからコラボ動画で話題となり、毀誉褒貶も受けた星野源。結果として毀誉褒貶に彼自身は何の関係もなく、さぞ迷惑だったろうなと心情を推し量るが、そのコラボ動画の2ヶ月ほど前に公開していたMVがこれ。静かな歌。弾き語りというにはあまり ...
しなの椰惠『16歳』【娘が『16歳』でギターを手にして親を断罪するカタルシスを】
今読みかけのノンフィクションが、男が浮気して離婚する物語でなく、愛人宅でも実の子を認知子育て、2つの家庭を大事にしてる本で、それが成立するだけのお金持ち。本妻の方の長女が結婚する時に戸籍に行き当たり、自分に会ったことのない弟が居ること ...
ank『生きることは、音楽』【当たり前のことに気付かなかったり忘れてたりする人が多い今だからこそ】
学生時代にバンドを組んでいても、卒業が近づくと髪を切って就活を始め、やがて音楽を辞める選択をするミュージシャンをよく見かけた。音楽でメシは食えないから辞めるんだと。
新型コロナウィルスのせいでライブハウスが槍玉に挙がって、 ...