Leon Bridges『Inside Friend ft.John Mayer』【ある意味で「分断」された画面上の構図が当たり前になりつつある】
Leon BridgesとJohn Mayer、それぞれの自宅での映像を使ったMV。世界的に(その状況は各国さまざまだが)「ステイホーム」が呼び掛けられている中、今後しばらくは、このような形のMVも増えていくのだろうか。テレビ放送でも ...
コスモス鉄道『日の入り』【こういう音楽に耳を傾ける時間が出来たことは、人生にとって悪いことであるはずがないだろう】
浮世離れした何か、というものはある。たしかに存在している。この曲も、そんなもののひとつだ。
最近のコロナ騒動で、いや確かに困った状況だし、街でお店を経営している人たちの経費が払えないんだよという苦悩が毎日のように報じられて ...
ITAZURA STORE『sen』【必要な音を過不足なく鳴らしてサウンドを構成する、お遊びとは対極にあるポップミュージック】
このふざけたお遊びのような名前のバンドが奏でるポップ。おいおいお遊びなんかじゃないじゃないかこの本格的なポップミュージックは。ボーカルAKANITAの声質がアイドル的なコケティッシュといっていい種類のものなので一瞬若い子のお遊び的な表 ...
Uru 『あなたがいることで』
【個性的な声よりも歌のうまさが先に立つのがUruのすごいとこ】
Uru、歌うまいよなあ。歌手なんだから歌がうまくて当たり前なのかもしれないけれど、そんなのわかってるけれど、それでもあらためてうまいなあと感じずにはいられない。じゃあうまいってどういうことなんだろうと考えてみる。音階通りに歌えるとか、 ...
金丸悠子『多摩川』【勝手に思い浮かべる自分の心象風景】
flawright『吉祥寺』や平賀さち枝『高円寺にて』が好きな理由は曲の良さ、後は勝手に思い浮かべる自分の心象風景だろう。それは『津軽海峡冬景色』よりも自分の歌なのだ。東京の町の子にとっての大自然は広い川だ。小学生は、川を超えて遊びに ...
尾崎リノ『文学のすゝめ』【ミニマルに歌われている内容がすこしだけハッピーな印象でなんか嬉しい】
ミニマルな事柄を表すのが私小説ならば、この人の歌ほど私小説な表現もなかなかない。一昨年の曲『0.02mm』が結構衝撃的で。しんみりくる歌い方もそうだが、歌っている内容の、内面の後悔という限りなく個人的な、他人にはどうでもいい世界なのに ...
Pokey LaFarge『Fuck Me Up』【オールドタイム風を漂わせつつも「現代」に繋ぎ留められる不思議な感覚】
古き良きアメリカーナとでも言うべきか。オールドタイム風を漂わせつつも「現代」に繋ぎ留められるような、不思議な感覚がおもしろい。ブルースやカントリーの空気を醸し出しながらモダンさを感じるのは、軽やかさ故かもしれない。この異なるベクトルの ...
harue『失踪』【力のある女性ボーカルに頼ること無くひとつひとつの楽器に手抜きがまったくなくてステキだ】
この疾走感はいったいなんだろうか。曲名は失踪なのに楽曲からは疾走感。いや、ダジャレを言っている場合じゃないんだけれど、そんなつもりはないんだけれど、曲の頭から最後まで必要以上に駆けている感じに満ちあふれている。ポップミュージックのAメ ...
LEODRAT『コバルトマーチ』
【成長とともに世界との折り合いをつけていける、スカッとする楽曲】
小気味いいテンポで徹頭徹尾突き進んでいく曲。動画の解説欄には「LEODRATの持ち味であるシンガロング必至の歌」とある。うん、確かにシンガロングしたい。1番が終わって間奏に入っても演奏のテンポもリズムも特に変えること無く続いていき、知 ...
あいみょん『さよならの今日に』【驚くほど起伏の無い曲に、今の彼女の立っている地点を知らされる】
この曲の起伏の無さに驚く。あいみょんだ。シンガーとしては今の時点でトップクラスの知名度と人気を誇る人だ。そういう人の歌う歌で、タイアップ必至の曲で、この起伏の無さ。その起伏の無さが、今の彼女の実力のほどを物語っている。
ま ...