宇多田ヒカル『One Last Kiss』
【ティーンの人たちがこのMVを、曲を、どんな風に感じるのだろうか】
知らない間に宇多田ヒカルもデビュー20年をとっくに過ぎていた。オッサンだからデビュー当時の鮮烈な印象は今もってまったく褪せていないのだけれど、それはデビュー作がバカ売れして、ミリオンが当たり前だった当時であってもその売れ方がちょっと尋 ...
MAGIC OF LiFE『記念日』
【きっちりと主張も存在感もある。それでいて、強すぎない】
2年半ほど前にファルセットの洪水と評したMAGIC OF LiFE。久しぶりに聴いた彼らの曲、彼らの歌はそれとは少し様子が違っていた。ファルセットが消えた訳じゃなく、今も歌の特徴の中心にファルセットがあるのだけれど、それが特別特徴的な ...
日食なつこ『四十路』
【ちゃんと怖いかい?ちゃんと不安かい?】
日食さんの新作MVが公開されてて、ずいぶん久しぶりだなと思ってたら、そのひとつ前のを見落としてた。それがこの『四十路』。長かった髪をバッサリと切って、印象がまったく違ってた。でも、やっぱり日食なつこはまったく変わってない。というか、よ ...
YONA YONA WEEKENDERS『R.M.T.T』
【懐かしの千駄ヶ谷ホープ軒のジャスミン茶】
千駄ヶ谷のホープ軒だ。道路をはさんだ向かい側から固定カメラで撮影した映像に曲が乗っかってる。妙に懐かしい。そんなにここに通った訳ではないけど、それでも年に2回くらいは食ってたんじゃないだろうか。このビルごと黄色のホープ軒。背脂チャッチ ...
松本佳奈『幕開け』【誰かに理解してもらえるとは思えないその表現が、巡り巡って価値となってここにある】
誰もが、最初は売れたいと思う。だから売れている誰かのスタイルを真似る。売れるということは多くの人に支持されるということで、だから、多くの人に共通する何かを代表するような表現をすることになっていくし、それは誰もが持っている表層の上澄みの ...
METAFIVE『環境と心理』
【曖昧に留めることで意味を受け取る側の裁量に任せているような表現】
METAFIVEの新曲がデジタルでリリース。4年ぶりのリリースだとか。4年も特に活動がなければ普通はもはや解散したのかと思わるだろうし、僕も実際そう思ってたし、彼ら自身もそう思われているという自覚があったのか、この新曲MVを公開する1 ...
シバノソウ『あの夏の少女』【昨年のレビューにあるライブ動画と比較してみるのも面白い鑑賞の方法かもしれない】
1年ほど前に北沢東京氏がエモーショナルな歌としてピックアップしていたシバノソウ。「いずれ千万になる再生回数100に3いいねの時代に」という切り口で取り上げていたのはどこかのライブハウスでギター弾き語りの彼女。MCトークから始まるその動 ...
The Shiawase『ポテトサラダ』
【手がかからなくなったことに戸惑って苦悩するという愛情の一形態】
子どもが独り立ちした親の気持ちをダラダラと綴っている。めっちゃいい。このダラダラ感がリアル。力が入らないのだ、きっと。それまで忙しく世話する時間が1日の大半を占めていて、それがパタッと無くなる。その脱力感はすごいだろうなと思う。めっち ...
BOKUHIKARU『犬のうた』【ああ、この人はとにかく犬が好きなんだなあ】
軽快なピアノから始まる曲。サザンの『希望の轍』を彷彿とさせるそのピアノイントロは、その期待感を裏切ることなく軽快なまま軽快な歌へと続いていく。その軽快さは終始途切れることなく、リスナーの心をずっと上げ続けていく。スゴイなこれ。その軽快 ...
ACE COLLECTION『拝啓、君は…』
【定番アングルの固定カメラMVに込められた意味とは?】
昨年レビューしてたACE COLLECTIONがこの春メジャーデビュー。昨今メジャーであることの重要性はどんなものなんだろうという気がしないではないけれど、ユーチューバーが大人気でも数百万再生というところで全国ネット地上波なら1%で百 ...