KAN『長ぐつ』【ここまでストレートにポップに“愛してるを歌える”アーティストはなかなかいない】
以前に、このmusipl編集長の大島氏がKANについて取り上げていた。そのときは『50年後も』だったが、彼は『愛は勝つ』以前と以降で変わったのではなく、以降で自身の音楽への向き合い方が変わり、その後もずっと仏留学や模索を経て来ている珍 ...
米津玄師『LEMON』
【米津玄師は何でこうなってしまったのだろう】
米津玄師は何でこうなってしまったのだろう。
ハチにも戻れず、“米津玄師そのもの”を模造化しないと許されないという社会的要請がこうさせたというならば、日本でゴスペルが宗教的な意味以外でもシビアという文脈で、歌謡曲が人心をふる ...
Czecho No Republic『テレパシー』【メッセージを身体で擬音化したような不思議ダンスのワープ体験は続いてゆく】
情報解禁日にラジオで『テレパシー』のサウンドを聴いた時、なぜか頭の中に、ダンスとも呼べないUFO出現を願うような舞踏を突然演じだすカメラ目線の人が見えた。あと、ギターソロがカッコイー。
MVを見ると、予感は当たっていた。2 ...
灰色ロジック『モーニング』【彼女のことを「趣味とバイト」と同様に大切って、大丈夫か若者よ】
シンプルな曲だ。とてもシンプルで、単純なことを歌う。朝からずっと君のことを考えていると。その君が「趣味とバイトとあんた」で同様に大切だと。生々しいな。そこで「君が一番なにより大切だ」と歌い切るべきだとは思うが、嘘でそう歌ったところで意 ...
くるり『温泉』
【今でこそ、こういうのどかさで世俗の垢を落とせるように】
サウナやシャワー、湯治の世界地図がなかなか改変がおこなれることはないながら、温泉、お風呂のカルチャーの日本の奥深さはいいなと歳を重ねるたびに思う。様ざまな疲弊や草臥れを溶かすにはやはりお風呂に限る。昨年に東海地方の常滑という場で泊まっ ...
カノエラナ『サンビョウカン』【現実を受け入れ無理難題の音楽業界をすり抜け泳ぐこと】
カノエラナ、musiplでは2年前にレビューを掲載していて、また取り上げたくなった。きっかけは、朝の子供番組『みいつけた!』で彼女の名前を見て。「カゲのオバケ」という歌の作詞作曲がカノエラナ。歌の中で女性の声は聴こえるものの、あれ、カ ...
evening cinema『告白』【ポップネスクオリティを背景に、この一瞬キモイMVがブレイクスルーになるのか!】
イイ。イイぞ。月曜日からなんかスゴくアガる! 最初一瞬ゲッツの人かと思うようなやさ男っぽいおにーちゃんが全身で熱唱する。それがひとむかし前のiTuensのCMみたいな映像で展開するMV。聴いているうちにワクワクしてくる。ポップってこう ...
LILI LIMIT『LIB EP』
【自由のようで自由ではない、今の時代の今の社会の中で生きること】
若い頃にディスコというのが流行って。友人たちもそこによく足を運んでいたようだが僕は1度も行ったことはない。スクリーンでトラボルタが踊っているのを見ても心ときめいたことはない。アメリカに行ったときにホテルのロビーにまだあどけない現地の少 ...
前野健太『100年後』
【待ち合わせの存在しない人生より、嘘ばかりの待ち合わせを交わす方が】
前回、先週土曜日にKANの「50年後も」のレビューをして。そしたらやはり「100年後」についても触れてみたくて、前野健太。50年後の未来というのは20歳同士のカップルには十分に在り得る未来でも、35歳同士になれば平均寿命的に見て両方が ...
KAN『50年後も』【そういうのがとてもいい、個人的なKANのベストソング】
愛は勝つの人と思われがちなKAN。思われがちというか、あの大ヒットなのだからそう思われて当然、というかそうなのだ。愛は勝つの人なのだKANは。ヒットが大きければそのイメージが焼き付くし、その後普通程度それ以上程度に活躍したところで大ヒ ...