FINLANDS『BI』
【複層的に好きになれるバンドに育っているようで】
このビデオを見ると「あれ、FINLANDSってこんなバンドだったっけ?」と驚いてしまう。バラードってそれだけを聴くと間違うよな。いやそれもバンドの一面だけれども、それだけでファンになったり、それだけで嫌いになったりするのは愚かだったり ...
くるり『忘れないように』【治らない病は尽きなくても、治らないわけではない未来を忘れないように】
ザ・ビートルズ中期のサイケなハネ、ザ・フーの初期のビートニク、ブリティッシュ・インヴィジョンなリズムにモッドなセンスがうねる。途中、繰り返される「Go Let It Out!」とはかのマンチェスターの世界的なバンドの過渡期と言えなくも ...
THE NOVEMBERS『みんな急いでいる』【静かで優しい文明批判。その対象はこの世界そのものになっているようで】
これは、一種の文明批判なのだろう。何かを批判しようとするとつい自分は正しいと彼岸から声を荒げて批判対象を罵るのが普通だが、この曲は静かに、対象を客観的に観察しながらも同時に此岸にいて、自ら属する文明の愚かさを嘆く。それはあたかも自分の ...
アカシック『LSD』
【お前がイヤだからといってこの表現そのものは消せやしないのだよ】
アカシック、見事だな。このミックスに綺麗な仕上がりを狙ったりしているなんてことが微塵も感じられなくて、素敵。1分過ぎに出てくる16トラックHDマルチトラックレコーダー。DTMの世界に登場した時はこりゃすげえと思ったけれども、今となって ...
yonige『リボルバー』
【聴いていて苦しいが心地良い、複層的に心を滲ませる歌】
yonigeのレビューをしたのはもう3年も前のことだったのか。当時ピンクの髪がめちゃ印象的で、覚えていることといえばその髪の色と、その後レビューのツイートに対する反応が持続的にあったということ。彼女たちが世の中に出ていくには奇抜なバン ...
CRCK/LCKS『No Goodbye』【独特でマニアックに見えるが、別に意地なんかではなくて彼らの普通なのかもしれない】
CRCK/LCKSはユニークなバンドだ。先日出たばかりのアルバム『Double Rift』は奥行きが深く立体的で、個の内面に深く到達しているかのようなたたずまいでありながら、それでも絶対に隠し通す壁のようなものを感じる内容だった。言葉 ...
Su凸ko D凹koi『MOMANAIDE』【時は来た!すっとこどっこいの『MOMANAIDE』がMV公開】
時は来た!すっとこどっこいの『MOMANAIDE』がMV公開。別れた元カレに対する「思っちゃったんだからしょうがない」系の歌だ。過去にとらわれていることは、それ自体前に進めない足かせになったりするのだけど、クリティカルなパンチライン= ...
フレンズ『常夏ヴァカンス』【暑い夏こそ常夏の歌。これすごく心地良いぞ】
暑い。暑い。京都はもう10日連続で38度超えだ。今日も明日も38度を超えるだろう。そんな時に「常夏ヴァカンス」というタイトルの曲を聴いているなんてどういう自虐的レビューなのだろうか。歌詞も「冒頭から軽く炎天下超えて思考回路意味ないね〜 ...
the peggies『サマラブ超特急』
【この「別にどうでもいいわ〜」感がとてもいい】
ガールズバンドというものはやはり注目すべきだとずっと思ってて、いやそれ別にガールズじゃなくても性別関係なく注目すべきじゃんというのは正論だけれども、まあこのことを話し始めたらどこまで行っても終わらないのでまた別の機会にするとして。女性 ...
O’s-age『移ろう季節に花束を』
【楽曲の中で起こっている変化や展開に意識を向けて聴いてみる】
CMなどでサビだけを聴かされ、とても良いので1曲通して聴いたらサビ以外が全然ダメでガッカリするということがよくある。サビとそれ以外の部分がまったく別の曲のようで分離しているというのがその大きな理由なのだが、そういうことはどうして起こる ...