Mr.Children『SINGLES』【守られ続ける確固とした彼らのスタイル】
ミュージシャンがアーチストになるためには自分のスタイルを確立する必要があり、確立したスタイルを築いてしまったら、それを壊すことは難しくなる。期待するファンが存在することと、何よりそれが自分の拠り所になるからだ。
ミスチルの ...
YONA YONA WEEKENDERS『誰もいないsea』
【立ち位置も意味合いも時代とともに変わるシティポップ】
こういうサウンドをシティポップと呼んでいたのはもう既に時代の彼方に去っていったような気がする。彼らのサイトで自らシティポップバンドと書いているし、ジャンルとしてはシティポップというのは今も幅広い音楽シーンの中核に燦然と位置しているのだ ...
SAPPY『Get Back』【違和感を覚えるほどの進化形と、継承されているこだわりと】
SAPPYの新曲MVを見て、あれ、SAPPYってこんなバンドだったっけという違和感を覚えつつも、引き込まれる。それで以前にレビューをした曲を聴き返す。たしかにポップさが全然違っている。だがその違いは表面上のもので、サウンド構成の深さや ...
ヒカシュー『プヨプヨ』
【2010年代後半にヒカシューを観て聴いて】
一昨日テジナというバンドのレビューでヒカシューの話をしたので、ヒカシューを久しぶりに。2010年代後半にヒカシューを観て聴いてもあの当時に当時の若者が感じた何かをリアルに感じられるわけがないと書いたのだが、改めて聴いてみたら今見てもブ ...
灰色ロジック『知らない街』【ほどよい脳内妄想に身を任せるのが心地良い】
今の自分を取り囲むすべてを捨てて人生をリセットしたい。そんな気持ちになることは誰にでもあるだろう。この曲は曲自体にドラマチックな盛上がりがあるわけでもなく、BGMで流れているだけだったら本当に聴き流してしまうかもしれない。何が歌われて ...
TETORA『ずるい人』
【ああ、TETORAはズルくてカッコいいなあ】
切り裂くようなハスキーな声。ハスキーというのかこれ? ハスキーとはちょっと違うのかもしれないけれど、各フレーズの語尾で裏返るような発声が限界に挑んでいるように聴こえるし、限界に挑んでいるような歌はやっぱり魅力的に聴こえる。ズルいよこれ ...
King Gnu『Flash!!!』
【全体を闇が覆っている不透明さのような面白み】
2000年頃以降くらいに耳にするようになった音楽ジャンルにはどうにもイメージを持ちにくくて、オルタナティブ、ミクスチャー、エモ、コアetc. etc.。いやまあ2000年以降なのかどうかと厳密に問われればもっと前からあったのかもしれな ...
MAGIC OF LiFE『PHANTOM』【ファルセットの洪水の奥に佇んでいる、奥ゆかしい心地良さ】
声についつい耳が止まる。この声はどうやって出されているんだろうか。全編ファルセットのような声。さすがに中低音域ではファルセットではないけれども、もしかすると中低音域のこの声も実はファルセットで、地声はまた別にあるのではないのかと思って ...
clammbon『Lush Life!』【そこまで追うことができていないファンにとっての福音のようなMV】
産業として音楽があって、売れれば続くし売れなければそれまでで。なのに売れなくなっても止められなくて、創造活動を。だからどんどん作って作ってやめればいいのに作り続けて、だって止めるってことは人生を止めるってことだよっていう気持ちはわかる ...
MONO NO AWARE『東京』
【彼らの必要以上にノスタルジックなサウンドが僕らに問いかけているよう】
東京というタイトルがついた曲はついつい聴いちゃうしMVがあれば見ちゃうというのは、長年東京に暮らして離れた者の郷愁のようなものなのだろうか。大都会への郷愁というのも変な話だなと思わない訳ではないが、実際には政令指定都市で生まれ育つ人の ...