キリンジ『千年紀末に降る雪は』【サンタは時代遅れになったから哀しいのか】
年の暮れになると決まってかけるのがモータウンクリスマスのCDで。楽曲とパフォーマンスのクオリティももちろん素晴らしい名盤なのだが、それ以上にこの季節の音楽としては定番感というのが大切だと思っている。定番というのは世間ではこれを聴くのが ...
ユタ州『虎と太陽』【リセットすることなど不可能な今が、また明日を迎えようとする】
ほぼ3年前に『27歳』でレビューしたユタ州。27歳で夢を見ると高らかに歌っていたユタ州。彼らは何歳になったのだろうか。この曲で彼らは歌っている。「欲しかったものが何なのか今ではもう判らないまま、まだそれでも探している」と。「一体いつか ...
日食なつこ『white frost』
【雪の中の面白い構図の向こうに横たわる、音楽の力への儚い希望】
日食なつこがまた雪深い中でのMVをリリースした。ほぼ2年前にレビューしたログマロープでは雪降る中素手で鍵盤を叩いていた。岩手出身だから寒いのに強いのか、今回は雪原に横たわって歌っている。そんなに厚手の服ではないから、寒さというより冷た ...
SUPER BEAVER『予感』
【現在もっとも勢いのあるバンドのひとつ】
現在もっとも勢いのあるバンドのひとつといって間違いないのではないだろうか。春には初の武道館ライブが即日ソールドアウトし、この曲もゴールデンの民法ドラマ主題歌に抜擢されている。ただまあそういうビジネス的な好調不調はどうでもよくて、音楽的 ...
THE YELLOW MONKEY『天道虫』【ライブバンドの真骨頂のようなライブ的MVがカッコいいすな】
キター! イエモンの新曲なので久しぶりに取り上げてみようと思ったんだけれども、なんか吉井和哉のボーカルにエフェクターかかり過ぎじゃないですか。確認しようと思って何度も何度も何度も繰り返して聴くうちに、エフェクターかかり過ぎかどうかはよ ...
柴田聡子『ワンコロメーター』【まったく違った種類のスゴさをこの曲では見せている柴田聡子のスゴさ】
柴田聡子あいかわらずスゴい。musiplでのレビューは4年ぶりだけれどもその間に詩人としても賞とって文芸誌で連載とかし始めて、ますます何の人なのかよくわからなくなってて。ミュージシャンとか歌手とか詩人とかじゃなくて、要するに才能人なの ...
Lucky Kilimanjaro『ひとりの夜を抜け』【もう一息の背中を押してくれるカラフルなポップネス】
ほぼ1年前にレビューしたLucky Kilimanjaro。その時の曲はポップに純化したミュージック9割以上という印象だったが、この曲では歌詞にかなりの重点を置いた作品に仕上がっていてちょっと驚いた。昨日のレビューでは音楽は時代を反映 ...
阿部真央『変わりたい唄』【君が決めれば、世界は必ずその通り】
阿部真央も来年でもう10周年なのか。デビューアルバム『ふりぃ』が衝撃的で、なんだこの全方位反発ガールはと思った。何がそんなに不満なんだと不思議になるほど不満が詰まっていた。本当は不満などなくコンセプトで不満を演じていたのであれば、それ ...
吉澤嘉代子『女優』【こういう見方をすれば人を応援することが出来るのかという気付き】
吉澤嘉代子はメジャーデビューして一体どうしてしまったんだろうと思ってしばらく。昨年の『残ってる』では本来の良さに回帰してきたと感じてレビューもしてみたが、『ミューズ』でさらに洗練され、この『女優』ではまさに一皮も二皮もむけ、その音楽が ...
スカート『遠い春』【虚しい心理に「無駄ですよ」と声をかけているような】
スカートはもうどのくらい浸透しているのだろうか。一部音楽ファンにはかなりの高い評価を受けているし、じゃあだからといって日本のある程度の音楽ファンが全員知ってるほどのアーチストかというときっとそうでもないだろうし。じゃあ全員が知っていな ...