POLTA『さいごのドライブ』【次の新生活に軽やかに心を馳せることができる別れの歌】
ポップに明るく深刻なことを歌わせたらPOLTAの右に出るものはいない、というのが前回のPOLTAのレビューでも冒頭から断言した評価なのだが、この曲でもまったくそれが当てはまる。今回の場合深刻というか、切ないということなのかもしれないけ ...
LUCKY TAPES『MOOD』【思考を尽くして辿り着くLUCKY TAPESの刹那的な態度】
刹那的、といえば良いのだろうか。この曲に広がる投げやりな態度表明。だが本当に今しか見ずに刹那に耽っているとはとても思えず。所詮という言葉があるけれど、人が行き来できる範囲には上にも下にも右にも左にも限界があって、今居る場所で何ができる ...
THE YELLOW MONKEY『I don’t know』
【若さ故の力強さとはまた違う強さ。美しく、力強い曲だ。そしてロックだ】
人生というものを考える。若い人も、年老いた人も。それぞれが考える人生の様相は、立っている場所が違うのだから見え方もそれぞれなのは当然で。他人がどんなトンネルの中で強風にさらされながら暗闇を眺めているのか、それとも登りきった頂点で風ひと ...
小林未季『スクリーン』
【他を拒絶するスクリーンの存在に気付くということ】
過去2回レビューをしてきて、小林未季という人の歌は面白いな興味深いなと思ってきたけれど、この『スクリーン』という曲はそれまでとはまた違った表情で迫ってきた。いや、迫ってきたという表現は誤解を生むだろう。過去2回の曲『テンポ』と『Dan ...
ポタリ『途切れた呼吸』【良いバンドだったのになあ、解散は惜しいなあ】
ポタリのレビューを最初にしたのは2015年、で、今が2019年。彼女たちも解散してしまう。ボーカル鈴木奈津美の声が好きで。声質だけなら可憐な声と言っても差し支えないだろうにサウンドはロックで、歌声もトータルでは強さを見せていてロックで ...
コレサワ『パープル』
【次の一歩を新しい場所へ、優しい歌とともに】
黙っていても時間は過ぎ、その日はすぐにやって来る。別れの日だ。それは各々が次に進む晴れやかな日で、そのことは誰もが祝われるべきこと。いつまでも同じでいていいはずはない。同じでいるというのは朽ちることでしかなく、だから、変わらなきゃいけ ...
osage『ウーロンハイと春に』【展開がきっちりあって飽きないのであれば、長いイントロも苦にならないよ】
イントロに48秒。4分8秒の曲でイントロが長くないかと普通なら思う。音楽が氾濫している昨今、イントロをちゃんと聴いてくれる人なんてわずかで、30秒聴いてピンとこなかったら次に行く。既にファンなら別だけど、見知らぬバンドに長々と付き合っ ...
King Gnu『白日』
【一貫してトボケたテイストを前面に押し出してきた彼らのバンド性】
想像の数段斜め上を行きまくるKing Gnu。先日のMステでも盛大にやらかしてくれたそうでネットでも話題になっていたが、直後にこのMVを公開。おいおい、Mステでやらかしバンドと思って辿り着いた人たちを盛大に裏切ってくれて、Mステ前から ...
フレンズ『地球を越えても』【緩さと爽やかさが曲全体に溢れてて滲んでるパーティーバンド】
宇宙人設定なのだろうかフレンズ。地球を飛び出してどこかの星のパーティーに潜入してもすぐに馴染んで楽しんでで、結局ステージに上がって演奏しちゃうって、前回レビューした『常夏ヴァカンス』とまったく同じで。同じといってもそれはマイナス評価を ...
ACE COLLECTION『Lady』【曲を全速力で駆け抜けていく。その怒濤ぶりが実に心地良い】
切れが良い。スペーシーなサウンドだなあと一瞬感じたが、サウンド自体は特にスペーシーな要素がそんなにあるわけじゃなくて、ボーカルの声質、これはエフェクトの影響も大きいのか、そうじゃないのか判らないけれど、この声質がそう感じさせる源だと理 ...