amazarashi『未来になれなかったあの夜に』【過去の延長線上にある今の自分として「ざまあみろ」を噛みしめる】
amazarashiの音楽はいつも横たわる問題とそれに対する諦めのような現状容認がある。一時期それとは違うフィールドに踏み出したかのように感じたこともあったが、今作では王道ともいえる悩みの中心に仁王立ちしているような趣がある。 ...
なきごと『ドリー』【なんだ結局1年前のレビューと同じことを書いているぞ】
1年ぶりのなきごと。やっぱりギターがカッコいい。特別な奏法をしているわけではないし、超絶な技があるわけでもない。なのにこれだけギターがカッコいいのはなんなんだろう。ときどきいるんです。サンボマスターの山口隆なんかもそうで、こいつギター ...
ルルルルズ『わたしからあなたへ』【想像とは違う何かを持った音楽を、ただ受け入れつつ淡々と】
新作を期待するアーチストというのは何組かいて、ルルルルズはそういう期待をずっとしているバンドだ。新作を期待するというのは、新作を聴いたらきっと満足するに違いないという想いなのだろうし、その想いを強くして聴いてみて期待通りの音楽がそこに ...
片想い『Party Kills Me (パーティーに殺される! )』
【自分が唄うことよりも音楽そのものが尊い】
シンガーやバンドが陶酔しながら「僕は唄っているよ〜♪僕の声が届くように〜」みたいに、自分が唄うことについて歌っちゃう曲に、私が感じる気持ち悪さの正体が分かりました。結局「自分大好き」な、お前の自己愛じゃん。
片思いの『Pa ...
deronderonderon『DisLove』【地味で目立ちにくい工夫と努力の跡が興味深い】
2年半前に彼らをレビューした時には当時やたらと多かった踊りまくり系MVで、そのことについて書いてみたりしてた。久しぶりに彼らのMVを見てみるとまったく踊ってなくて、アレっていう軽い驚き。しかし当時のレビューを読み返してみると「他のMV ...
ガール椿『もうだめぽ』【その日への警告のような静かな強さで迫ってくる】
ガール椿久々に見た。前回のレビューが3年半前で、MVもずいぶんとなくて、当時のTwitterアカウントは消え去ってて、あれ以降にCDのリリースもない(多分)みたいで、まあ普通に考えたら解散とか活動停止とか、音楽やめちゃってるとかだろう ...
HERE『HELLO』【自然だ。ナチュラルだ。これでこそ演出排除の本音さらけ出しMVだ】
2年前にレビューしたことのあるHERE。どこで売ってるんだろうかという派手なスーツや衣装でMVにライブと展開していて、MVでも演出過剰なテイストで、まあそれが彼らのキャラであり売りなのだろうからもちろんイイし素晴らしいのだけれど、時と ...
小谷美紗子『忘れ日和』
【この小谷美紗子の軽いタッチの曲のなんと安定していることか】
5年8ヶ月ぶりのオリジナルアルバムか。その間なにをしているんだろうと思ったりもするが、20周年企画とか、ライブとか、まあいろいろ。毎年新作をリリースしていかなければ忘れられるぞとレコード会社に追い立てられるのが当たり前で、そのせいで才 ...
アカシック『終電』
【はすっぱなサウンドがめっちゃカッコよかった】
アカシックはカッコよかった。はすっぱなサウンドだった。ある辞書には「思慮の浅い軽はずみなこと、言動の慎みがなく浮薄なこと」という説明がある。たしかに「はすっぱ」という言葉には否定的なニュアンスがあって、褒め言葉としては不適当かもしれな ...
バックドロップシンデレラ『バズらせない天才』【再生回数というのが必須条件なんだなということをあらためて再認識させてくれる】
バンドが売れるというのは永遠のテーマで、そのために日々悩む。戦略と実践。現代ではYouTubeでの再生回数というのが必須条件なんだなということをあらためて再認識させてくれるMVだ。良い歌を作って良い演奏をしていれば必ず売れるというアマ ...