リーメイズム『くじらざめ』
【自分の果たすべき使命を固く信じる者の詩】
偶然通った場所でアジアフェスティバルを見た。フードトラックに衣類雑貨の出店。ステージでは、中国、ベトナム、台湾のダンスやバンド。その中、チベット山岳民族が遠距離通信の手段としてつかう高音歌唱をピアノ弾き語りしていたのがリーメイズムでし ...
Youmentbay『Take Me』
【そこはかとなく暗いダークサイドなワンダーランドへ】
怖い。怖いってなんだよ。でもこのMVがとっても怖い。キューブリックの映画『シャイニング』に出てくる双子のシーンが、ただ立ってこっちを見てるだけなのに訳もなく怖いような感じの怖さ。訳もなくっていっても、きっと訳はあるはずで、そのあるはず ...
serpentwithfeet『Same Size Shoe』
【やさしくも美しい音がじんわり染み込んでくる】
serpentwithfeetことJosiah Wise。一部で大絶賛された彼のデビューアルバムについて、私は完全に後追いで知った。だが、約3年ぶりに発売された2作目の「DEACON」にはどっぷり浸りまくりだ。R&Bプラスエレ ...
まん腹『はるかな』
【秘した想いを秘したままの感情で表現できるという稀有な歌声】
6年前に個人的最高得点(?)獲得のライブ映像『どうせもう』をレビューして、以来その消息がまったくつかめなくなっていた幻のバンドまん腹。いや、勝手に僕が見失ってただけだけど、今こうして新曲MVを目の当たりにして、過去の活動について探って ...
コレサワ『愛を着て』
【きっといろいろな表情があるのだろうし、いろいろな可能性を見せ得る名曲だよ】
コレサワのMVがアニメじゃなくて実写だぞ。ちょっと驚いたが別に本人が登場しているわけではない。本人がどんな顔なのか知らないので本人ではないと断言するわけじゃないけど、多分違う。で、これまでの恋愛モード全開のような曲とも違ってて、静かで ...
Official髭男dism『Universe』
【自分たちを信じて王道を進んできたこれまでの歩み】
この洗練されたポップネスを聴くと、本当に彼らは成長したよなあと思う。いや、成長という表現は実体に追いついてなくて、進化とか、昇華とか、変体とか、とにかく進む方向とスピードが並ではなく想像をはるかに超えている。思えば2015年に初めてレ ...
ハンブレッダーズ『COLORS』
【見事に自己表現が実現している洗練された表現】
ハンブレッダーズを6年前にレビューして、その時はたまたま京都を舞台にしたMVだったから惹かれてというものだったのだけど、爽やかな風のような印象を受けたことを思い出す。当時のMVはもう削除されてて見ることができないのだけれど、ほぼほぼ当 ...
Lucky Kilimanjaro『雨が降るなら踊ればいいじゃない』
【音楽にはできもしないことをしてみたくさせる力がある】
タイトルがタイトルなので旧い世代としてはジーンケリーのミュージカルを連想する。しかし聴いているとLucky Kilimanjaro節全開のサウンドで、確実に2020年代の音楽。ああ、こういうのだよな、既に時代はどんどん先に行くんだよな ...
The KLF『What Time Is Love?』
【こんなにも伝説的な(までに無茶苦茶な)ユニットだったのか】
The KLFの過去作がストリーミング解禁、という一報が届いたのは年明け早々のこと。春を迎えた現在も、個人的にはこの衝撃に勝る音楽ニュースをまだ見聞していない。何しろ私にとってKLFは輝かしすぎる存在だった。3年ほど前に出版された評伝 ...
未遂ドロップス『HANABI』
【バンド全体としての未遂ドロップスが好きだ】
前回取り上げたのがおよそ6年前で、久しぶりに見た彼らのMVは迫力のある歌唱はそのままに、全体的にやわらかなイメージが広がる愛に溢れた作品だった。6年前がかなりガシガシと前に前に攻撃的で、ある意味聴く者を突き放しそうな感じだったが、年月 ...