FINLANDS『BI』
【複層的に好きになれるバンドに育っているようで】
このビデオを見ると「あれ、FINLANDSってこんなバンドだったっけ?」と驚いてしまう。バラードってそれだけを聴くと間違うよな。いやそれもバンドの一面だけれども、それだけでファンになったり、それだけで嫌いになったりするのは愚かだったり ...
陳敏『燕になりたい』【二胡を手にとったきっかけの代表曲】
某市の二胡サークルのこと。役所登録で演奏求人情報が共有される。ウクレレ教室や学生四重奏らがサークル登録して、駅のお祭り広場、老人ホームほか演奏を求める場とマッチング。楽器背負って街イベや慰問の会場に行くと、普段接点も無いお客さんが、程 ...
Jamie Isaac『Wings』【ムーディーでうっとり度満点、最高じゃないか】
このロマンティックなイントロ、最高じゃないか。ムーディーでうっとり度満点。サウスロンドンが熱い、と以前もこのレビューでも取り上げてきたが、勢いは留まるところを知らないようだ。彼の新譜に、度肝を抜かれている。雑多かつ理知的、そして都会の ...
33Insanity’sVertebra『my postmortem photography』【終わったものにすがらないでくれ】
これに違和感を感じるのはいったい何故だろうか。違和感といって単に切り捨てることが出来るダメ音楽ではまったくなく、世の中に氾濫しているどれもこれも同じにしか聴こえない音楽と違うという意味で、大勢の中での違和感は、結局は個性の迸りを強く感 ...
快速東京『28』【めっちゃ破壊力】
破壊力あるなあ〜、この猪突猛進さ。こういうの大好き。だいたい、有名になるためや伝説なるには27歳じゃ足りなかったとか、その時点で大間違いで、実際には27歳で有名な人はたくさんいるし、伝説の人もたくさんいるわけで、27歳でそうなれなかっ ...
くるり『忘れないように』【治らない病は尽きなくても、治らないわけではない未来を忘れないように】
ザ・ビートルズ中期のサイケなハネ、ザ・フーの初期のビートニク、ブリティッシュ・インヴィジョンなリズムにモッドなセンスがうねる。途中、繰り返される「Go Let It Out!」とはかのマンチェスターの世界的なバンドの過渡期と言えなくも ...
cinnamons『a.m.e』【希望を感じさせる、アンニュイな歌】
独特の絡みつくような声。こういうのをアンニュイと言っていいのだろうか。調べてみると「ものうい感じであること。また、そのさま。倦怠」とある。うん、そうだな、まさにこれがアンニュイな声といって間違いはなさそうだ。鈴木まりこのボーカルは物憂 ...
RAMMELLS『Sensor』【都会的な立ち位置への意志を感じさせる音楽】
物憂げという言葉がよく似合う。何だろうこの物憂げ感はと思って何度も聴いて聴き返して、ああ、このボーカルがサウンドの中でしっかりとしたポジションで存在しているのに声を張っているわけではなくて、つぶやきのような歌い方だからなのではないかな ...
Nick Moon『End/Gone』【柔らかで繊細な歌声を持つナイスガイ】
近々、日本に拠点を移す予定というNick Moon。岡崎慎司所属のサッカーチームがある、レスターの出身だ。子供のころは、自身もユースチーム所属を目指していたらしい。そんな、やたらと親近感を抱かせるNickだが、活動停止中のバンド、KY ...
水咲加奈『遠い街』【存在証明の爪痕のような歌と、それを届けようとする歌唱力】
歌われていることは1度聴いたくらいでは理解できない。ただ、感情のこもった歌がうたわれているなあとしか感じることができない。暗喩を散りばめた、というよりも暗喩のみで心を隠そうと懸命に、でも内に秘めておき続けることはできない、存在証明の爪 ...