Nakanoまる『QU』【定義しづらい怪しさを持つ、不思議な表現者】
1年ちょっと前にこの人の名前を知ったのは北沢東京氏がレビューしてくれた時のこと。そのMVのポップでカラフルな様子から、新たなタイプのアイドルの人かと思っていた。まあアイドルとそうじゃない人の境界線をどこに引くべきなのかとか、そもそも引 ...
矢沢永吉『いつか、その日が来る日まで…』
【怖い、怖い、怖い、でもこれからおまえの物語が始まるんだよ】
矢沢永吉、70歳。70の声を聴いて、7年ぶりのニューアルバム制作を決意した。そのドキュメンタリーを見た。その中で、地元広島から夜行列車に飛び乗った時のことを語っていた。「広島のプラットホームがパーッと離れていくとき、え、ちょっと待てよ ...
シバノソウ『スクールフィクション』【空気が変わる。桜吹雪を巻き起こすエモーショナルな歌】
性質の悪い10000PVを集めるよりも、ちょうどいいやり取りのできる50人位の同年代をネット上で集めることの難しさよ。個人で作ったファンサイト、BBSとかもう完全に埋もれてしまった。SNS利用法「#○○さんのファンと繋がりたい」「著作 ...
PARKLIFE『EYES』【君の目玉と僕の目玉をグルッとえぐって取り替えっこ、を思い出した】
昭和の怪人シンガー松尾一志の迷曲に『とりかえっこ』というのがあって、そこでは「君の目玉と僕の目玉をグルッとえぐって取り替えっこ」というかなりグロい表現が出てくる。そんなにグロくインパクトある表現だけれども、歌われているのは「あなたの目 ...
Brittany Howard『Stay High』【亡き姉への想いを歌う、やさしさに満ちた作品】
今か今かと新作が待たれるAlabama Shakesのフロントマン、ブリタニーさんこと(敬意から、勝手に「さん」づけしているだけだが)、Brittany Howardのソロ作品が発表された。アルバムも発売間近(日本先行で9月18日にリ ...
snooty『友達になろう』【友達というのは、そいつのことをもっと知りたいと思える相手のことなのだ】
淡々と歌われる歌だけど、描写ひとつひとつが友達というものを言い当てているようで興味深い。友達ってなんだろうね。学校で偶然一緒になって1年やそこら同じ空間にいれば友達なのかね。「友達100人できるかな」なんて歌があるけれど、あの歌で言わ ...
konoko『エンカウント』【次々とぶつけられるごろっとした感情や何かをそのまま浴びるということ】
剥き出しな音楽だ。サウンド的には様々な要素が混ざっていて、わかりやすい音楽にするのならいろいろと方法があるだろうし、そう感じているプロも多いだろう。聴いていて、ああ、ここをこうすればいいのにと思う点はいくつもある。ただ、それが正解であ ...
Shiggy Jr.『ピュアなソルジャー』【朝までは続かないサタデーナイトパーティー】
Shiggy Jr.、解散ですか。最初にレビューしたのが2014年で、もう5年半も前のこと。当時はまだインディーズで、それどこの和室よというような誰かの部屋で撮影された手作り感満載のMVで、でもめっちゃキュートでポップだった。その半年 ...
Easycome『something』
【2年ぶりに聴いたけど、やっぱり心地良い!】
久しぶりに見たぞこのバンド名。Easycome。2年前にレビューした時、「心地良い。心地良い。3回くらい連続していいたい、心地良い」と書いたバンドだ。久しぶりに聴いても、やはり心地良い。バンドとしてのバランスがとても心地良い。この心地 ...
ロザリーナ『ボクラノカタチ』【低空を浮遊するような、いつの間にか聴こえているよというような】
不思議な声だ。30年ほど前にcharaが出てきた時に個性的な声だなあと感じたのだが、それに近い感触。ただcharaとはやっぱり(当たり前だけど)違ってて、この人の歌はどことなく島を感じさせる。海辺のナチュラルな感じのアンビエントという ...