ルルルルズ『わたしからあなたへ』【想像とは違う何かを持った音楽を、ただ受け入れつつ淡々と】
新作を期待するアーチストというのは何組かいて、ルルルルズはそういう期待をずっとしているバンドだ。新作を期待するというのは、新作を聴いたらきっと満足するに違いないという想いなのだろうし、その想いを強くして聴いてみて期待通りの音楽がそこに ...
片想い『Party Kills Me (パーティーに殺される! )』
【自分が唄うことよりも音楽そのものが尊い】
シンガーやバンドが陶酔しながら「僕は唄っているよ〜♪僕の声が届くように〜」みたいに、自分が唄うことについて歌っちゃう曲に、私が感じる気持ち悪さの正体が分かりました。結局「自分大好き」な、お前の自己愛じゃん。
片思いの『Pa ...
シリカ『拝啓、或る夕焼けに』
【なんかそういうがむしゃらさ、止まらねえぜ的な勢い】
音楽を聴いていて、いくつもの要素が複合して「凄いな」という感動が生まれるのだけれど、その中のひとつに勢いというものがある。言葉にすれば簡単なのだけれど、一言で勢いといっても単純な話ではない。大きな音を鳴らせばいいのか。演奏速度を速めれ ...
Floating Points『Last Bloom』
【生命の息吹を躍動するエレクトロミュージックで表現】
強烈なまでに躍動的な曲だ。ヘッドフォンでこの曲を聴いていると、音の一つひとつが左右に、前後に、そして上下に動き回っているような感覚に陥る。その動きを感じているだけで気持ちがいい。音の世界に没頭してしまう。エレクトロミュージックなのに、 ...
deronderonderon『DisLove』【地味で目立ちにくい工夫と努力の跡が興味深い】
2年半前に彼らをレビューした時には当時やたらと多かった踊りまくり系MVで、そのことについて書いてみたりしてた。久しぶりに彼らのMVを見てみるとまったく踊ってなくて、アレっていう軽い驚き。しかし当時のレビューを読み返してみると「他のMV ...
ガール椿『もうだめぽ』【その日への警告のような静かな強さで迫ってくる】
ガール椿久々に見た。前回のレビューが3年半前で、MVもずいぶんとなくて、当時のTwitterアカウントは消え去ってて、あれ以降にCDのリリースもない(多分)みたいで、まあ普通に考えたら解散とか活動停止とか、音楽やめちゃってるとかだろう ...
木村充揮『天王寺』
【標準語では絶対に成立しない、大阪弁が生み出す愛と一体感】
天王寺に行くと梅田や心斎橋とはまったく違った雰囲気に包まれる。同じ大阪でこんなにも違うのかと驚かされる。別に治安が特別に悪いということでもないが、そこらへんに酔っ払いのおっちゃんが真っ昼間からいて、慣れてないとゾワゾワとする。他の街で ...
HERE『HELLO』【自然だ。ナチュラルだ。これでこそ演出排除の本音さらけ出しMVだ】
2年前にレビューしたことのあるHERE。どこで売ってるんだろうかという派手なスーツや衣装でMVにライブと展開していて、MVでも演出過剰なテイストで、まあそれが彼らのキャラであり売りなのだろうからもちろんイイし素晴らしいのだけれど、時と ...
テスラは泣かない。『自由』【自由を行使するにはこのくらいの勢いが必要なんだな】
自由って良い言葉だ。そんなのわかってるけれど、いざ自由を手にしたら持て余すという場合も結構多い。自由に慣れてない。自由っていえば何したっていいのであって、1日中寝てたって誰にも文句なんて言われない。それが自由だ。けれども1日中寝てると ...
Angel Olsen『Lark』【真摯な歌声と壮大な展開に圧倒される6分間】
どちらかと言えば、玄人受けするタイプのアーティストだろう。前作は各音楽メディアから、大いに称賛された。4枚目となる今作は、それ以上の評価を受けてもおかしくない。今回の曲について、どう言えばいいか困るのだが、とにかく展開がすさまじい。た ...