poor man’s rose『エンドロール』
【小さくとも意志の強い声のような、そんなしたたかさ】
この演奏シーンはどこで撮影されたんだろうか。白い背景でいっぱしのスタジオのようだけれど、わりと普通のマンションの1室に白い布を貼っていくつかの照明を設置して、頑張ってるなと思う。だがその頑張りで到達する映像には限界もあって、きっと彼ら ...
横山剣『タイガー&ドラゴン』
【彼こそが平成の演歌歌手なのではないか、もう令和だけれど】
Bank Bandの野外フェスにゲスト出演した際の映像。こんな太陽の下がなんと似合わないんだろうか横山剣。しかしこういうバンドメンバーにも大観衆にも臆することなく、臆するどころか自分こそこの日の主役といわんばかりの雰囲気に巻き込んでし ...
杏沙子『見る目ないなぁ』【まずいお酒よりも懐深く包んでくれる。魔法の言葉】
ちょっと辛い出来事があって寂しい歌ばかり聴いていました。でも。ショッキングな言葉は抱えたくないし、絶望を突きつけられるのは嫌。それでいて、のしかかってくるつらい気持ちのノルマを消費できる程度に、自分を責めたい。そんな時に『見る目ないな ...
tiny little charm『プロローグ』【人は何度だって新たなスタートに立っていいんだ】
リバーブが強めにかけられたアコースティックギターの演奏に、さほどエフェクトを施されていないボーカルが素に近い状態で中央に立たされている。それなりの音量で楽器が鳴るからアンバランスではないものの、ボーカルだけが目の前で歌っているようで、 ...
Baauer『REACHUPDONTSTOP』【終末感あふれる光景の中、ひたすら踊りまくる】
プロデューサーとしてもその名を馳せるBaauer。彼のオリジナルアルバムがついに発売となった。まさに、満を持して、と言ったところだ。まずはMVに関してだが、近未来というか、どこかゲーム的な世界下での各種生命体のダンスシーンが無性に胸を ...
Curtaincalls『いつか』【具体性に欠けつつも、この先がまだあるんだよという淡い期待】
この地を這うような歌は一体なんだろう。多くのボーカリストは自分の音域の高い方の限界に挑むように高いキーの曲を歌おうとする。それは高音が伸びるボーカルは一般的にそれだけで魅力だからだ。他者からみた魅力もそうだが、何より高音が抜けるように ...
グソクムズ『夢が覚めたなら』
【この曲は普遍的に(とても懐かしくて)良い曲だ】
なんだろうこの懐かしい感じ。2020年に活動している現役のバンドに向かって懐かしいはないだろって、言われそうだし自分でもそう思うが、懐かしいんだから仕方ない。何十年代っていえばいいんだろうか。70年代? 個人的には松田優作あたりが出て ...
山中さわお『ヒルビリーは かく語りき』
【どうあれば退屈ではない刺激的な自分でいられるのか】
なんというカッコよさなんだろうか。the pillowsのボーカル山中さわおの最新曲。昨年30周年を迎えたバンドなのだから、ベテランと言っても過言じゃない51歳。誰とはいわないが多くの同期バンドマンたちの最近の作品が、おいおい昔の過激 ...
せりかな『優しい手』【変わったように見えて、彼女は実は何も変わっていない】
なんかイイなこの人。と思って聴いていたら、4年前にレビューしていたことに気づいた。どこかの野外ステージでギター1本弾き語りをしていたライブ動画とは動画としての完成度もサウンドもまったく違っていたから、無理もない。あわててその過去レビュ ...
miu『月とお散歩』【孤独感とそれに向かいあいつつも幸福に向かう意識】
情報が限られるアーチストはいる。miuという人がどのような人なのかはよくわからない。Twitterとinstagramのアカウントがあるだけで、そこに人物としての情報はほとんど無い。動画がアップされているので当然のようにYouTube ...