宇多田ヒカル『二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎』
【この音楽異種格闘技戦、ホントにコワい、ええコワいです】
コラボってすげえな。いや、コラボって基本的には個性と個性のぶつかり合いなわけで、言ってみれば音楽格闘技。どちらの技が相手を打ち負かすのか(結局勝ち負けの世界から抜け出せないのか!)なのだが、どんな異種格闘技戦に参入しても負けることはな ...
Ghost like girlfriend『fallin’』【どこかロマンティックな彼岸の視角の先で】
低血圧なムードなものの、クールなメロウネスがスイングし、程よい残響に、時おりのブレイク、優しく刻まれるビートがすっと馴染む服のようで、また、いいヘッドホンで聴いていると、眩い音の粒や空間美の奥深さを感じることができて、こういった新世代 ...
スチャダラパーとEGO-WRAPPIN’『ミクロボーイとマクロガール』【勝ち負けとかじゃなくって、掛け算の価値倍増爆発!】
女優ののんさんが出演していることで話題のMV。そりゃあのんさん出てるんだったら話題だよねとスルーしそうだったけれども、それより何よりスチャダラパーとEGO-WRAPPIN’がコラボって、どんなだよって普通に思う。で、見る。 ...
มาช่า Marsha『App Story』【語感もサウンドも、タイポップス初体験のカワイすぎる衝撃だった】
サワディーカー! ここ数年、タイ人と話す時「歌手のマーシャを覚えてる?」と聞き込みをしていた。20年位前に、内田有紀の様なショートカット、川本真琴の様にギターを構え、J-POPなら「ルルル、ラララ」なハミングを「ニャー、ニャー、ニャー ...
work from tomorrow『夜明けの花』
【緩急自在な盛り上げ術〜サビのフレーズが頭から離れない】
サビのフレーズが頭から離れない。作曲の展開パターンとしてAメロ→Bメロ→サビというのは基本中の基本なのだろうが、昨今はそういう基本などすっ飛ばしてんじゃないのと思われる曲がとても多くて、またそういう展開に沿ってはいるもののその過程過程 ...
The Big Moon『Sucker』
【ロンドンから、強烈な個性を持ったガールズロックバンドが登場】
ガールズロックバンドと聞くと、やたら激しい曲と圧巻のライブパフォーマンス、という印象がある。だがロンドンのこの四人組はそんなイメージを軽くはみ出すほどの魅力を放つ。ミドルテンポで印象的なギターのリフで展開する曲調は一辺倒ではなく、何度 ...
Bray me『雨フレバ虹』【涙を流した目にしか見えない景色があるんだ】
先週のレビューで「このおどろおどろしい雰囲気はルートをボボボボンと鳴らし続けるベースから生まれてんだろうか」という考察を書いた。だが、それは間違いでした。完全に間違っている。決定的に間違っている。このMVを聴いてくれ。冒頭、ボボボボボ ...
evening cinema『わがまま』
【2017年のセンスでロマンティシズムの機微を】
スピッツの草野正宗は自分たちの曲は基本、人間の摂理たるエロスとタナトスしか歌っていないと過去から徹底して言う。音楽と政治性、または例示するにアドルノや武満徹を巡る楽理、最近ではセラピーやトリートメントの領域まで無音ではなくなってきてい ...
RETO『部屋物語』【それでもなお、求め過ぎない希望を求めている】
以前のレビューをTwitterが定期的にツイートしてて、そこで2年半ほど前のレビューをツイートしたところメンバーが反応してくれて。というか、そこで初めてレビューの存在を知ったらしいw。いやあアーチストと協力してリリースタイミングにレビ ...
ふちなし『教頭先生、また明日』【なんだろこのおどろおどろしいサウンドの源は】
どうやったらこういうテイストになるんだろうかって不思議です。怪談なのか、そうではないのか、でも他の情報を入れずにMVだけ見ると完全に怪談。映像だけじゃなくて、歌詞でもなくて、もはやサウンドだけでも怪談。このおどろおどろしい雰囲気はルー ...