Brushy One String『Chicken in The Corn』【弦一本のギターで唸る一匹狼のコレに、糸電話依頼の直振動を感じました】
ギター構えて何人か集まり目を伏せてるヤツがサムネイルの動画なんか、誰がクリックするかよ。と長年思ってて最近気づいたの。おっさんが若者に対して、彼女が彼に対して、兎も角「スマホばっか見てんじゃねぇ」っていうご意見あるやん。ギター構えて「 ...
Sufjan Stevens, Bryce Dessner, Nico Muhly, James McAlister『Saturn』【天才ソングライターたち4人が、壮大なコラボ作で「宇宙」を表現】
musiplのレビュー史上、最も長いアーティスト名ではないだろうか。しかも参加アーティストの名前をただつなげただけ。呼びづらいことこの上ないが、文句は私でなく、Sufjan Stevens,Bryce(以下略)に言ってもらいたい。また ...
岡崎体育『式』【摩耗したものを受け入れて、忘れてしまえるか、そうじゃないか】
ある異地で、不意に激しいスコールに会って、ゲリラ豪雨なんて日本語じゃなくて本当にスコールで、そこで濡れねずみになった自身の後ろには高層タワー群があって、でも、なぜか、熱帯雨林から吹く風にほぐされるように車も拾わずにモールに避難した。大 ...
鳥人間ズ『犬の歌』【頭割れるようなニオイをグッと堪えて飲み込んだ】
鳥人間が犬の歌を歌うっていうのがとてもシュールだが、聴いてみるとシュールな変化球的な歌ではまったくなくて驚く。野太くともけっしてノイジーではなく、安定的に太い声をドドンと出せるのは、そうだな、エレカシの宮本浩次を彷彿とさせる印象。ロッ ...
スピッツ『ヘビーメロウ』【どこかはどこかじゃなくてもいい。どこかがあなたにとって平穏であるように】
Syrup16g「タクシードライバーブラインドネス」って曲の歌詞に「ニュースは毎朝見る ところで思うんだが 占いのコーナーって あれ何?」ってはじまりがあって同意だなと思いながら、「~座の方、ごめんなさい。今日のラッキーアイテムは赤い ...
さよならポエジー『二束三文』
【苦悩の割に実りの無い、そんな普通を愛している】
自己肯定感が生きるには必要だ。そんな言葉を最近よく目にする。高度成長期にはよく言われた上昇志向は、出世こそが人生という意味で、故郷に錦を飾ってやろうと多くの若者は心に誓った。だがそれは戦後の焼け野原という本当に何も無い国の、世界経済の ...
さすらいナンバープレート『本気でMother Fucker』
【なんだこの完璧な展開は。天才なのではなかろうか】
この飄々としたテイスト。とても好き。自己紹介ソングと言ってもいいのだろうか。最初にソロを取るメンバーが「ドラムのサカモトユウタです」と歌うのだが、持ってるのはギターw。そしてボーカルの紹介をする前に「ここまで僕らのペースについて来てる ...
Phoenix 『J-Boy』
【「フランスのおしゃれバンド」のイメージを超越して、唯一無二の存在に】
今や、出身国でカテゴライズするなんてナンセンスなのは承知しているが、フランスのアーティストっておしゃれ、洗練されている、という印象がある(えっ、じゃあミッシェル・ポルナレフは? という質問はできれば無視したいが、あれはあれで、大好きだ ...
chietoyts『youth is yesterday』【人生のごく一時期だけに存在する、「世界の終わり」】
タイトルに惹かれる。青春時代は昨日。直訳するとそういうことでいいのだろうか。青春時代なんて記憶の彼方という年齢になれば「今でも青春ですよ」みたいな、永遠の18歳みたいな厚かましいことを口にできるが、「ああ、青春が今終わった」みたいな瞬 ...
Alfred Beach Sandal + STUTS『Horizon』【ある者の「過去」が、他の者にとって「未来」になりうるのならば】
中学生の頃に自転車で知己と三人で70kmほどだが、小さい旅に出たことがあった。その途程に於けるかなりの急坂をどうにか越えると、当時にすると宏大な街が見わたせた。その街は工場街だったのだが、ずっとずっと先に地平線の彼方がぼんやり霞んでい ...