白瀬百草『hoshinoie』
【まだ何でもない自分を何かに合わせていくことへの抵抗】
ゆっくりとしたギターにゆっくりとした歌が載ってくる。これをスローと呼ぶのかルーズと呼ぶのかは人によるのだろうし、どちらかに完全に決めつけることも個々の人自身の判断としても難しいのだろう。20歳前後の女性が華やかに世の中に出るひとつの手 ...
Wintergatan『Marble Machine』【3000個のビー玉を転がしたり、ベルトコンベアで運んだりして】
昨今の「YouTuberになりたい」という言葉、「BANDやろうぜ」に近いものを含んでいるような気もする。企画や主張よりも「自分が受け手として楽しんだものになりたい」というほのぼの幼稚な憧れ水域。だけど、見ていた誰かを目指す人ではなく ...
ニガミ17才『おいしい水』
【カオスなポップさが押し寄せてくる迫力に圧倒される】
変な名前のバンドがいるなあと思ったら、曲も変で、なんだこの猫背なボーカルはどこかで見たぞ誰だろうと考えてみたら元嘘つきバービーの人だった。2013年に突如解散し、2015年にこのバンドを始めたということらしく、2年も知らなかったのかオ ...
The Pains of Being Pure at Heart『When I Dance With You』【懐古調の電子音で心をつかむダンサブルなナンバー】
2000年代の終わりころ、シューケイザーギターポップ(ドリームポップ)の再燃というか、その新世代の象徴として彼らは出現した。デビュー時に、まさにこんな曲を求めていたのだ、と私は歓喜した。あまく切ないメロディと、心地よいまでに浮遊感と彩 ...
CHICO & Acoustic Caravan『命の根』
【こんな夏は二度とないよ、とは言えきれないけれど】
自身における撮影の点前、また画素は時代の趨勢と反して、粗くなっている。その分だけ記憶のなかに残しておこうという意志が強まりながら、会う人たちが舞い、撮り、話す画素の鮮明さにも唸らされるのも大きい。いつもの道をいつもどおり歩くより、途中 ...
葉緑体クラブ『とある真夏日の早朝』
【そんなことはどうだっていい】
ネコが延々とうつる謎のMV。のんびりとした映像に乗って聴こえてくるボーカルの声もどことなくのんびりとしている。歌われている言葉を追ってみるとなんとなく煙に巻かれてしまうようで。追い抜いてしまったのです。それは一体何が何を追い抜いたのだ ...
CHARA『Tiny Dancer』【だからこそ、か細く果敢な日常を生きて歩く舞踏者に幸多かれ、とだけ】
満島ひかりの姿をあちこちで観る機会が増えて、それがつい「見入ってしまう」というのではなく、ふわっとしかし、妙な訴求性をもって視界内に入ってくる感じのものが多くて、いや、人によってはそれぞれの感受性もあるのだろうからそれは仮託するとして ...
Tia Rungray『Dancing Fly in my HEAD』【ストイックに淡々と鍵盤を弾く彼の姿とフレーズひとつひとつが持つキレの良さ】
クラシックなのか、環境音楽なのか、現代音楽なのか、アンビエントなのか。単純に、短い楽曲の中で繰り返されるフレーズが綺麗で、なかなか次の動画に飛んでいくことも出来ずに何度も見て、聴いてしまったのである。なんなんだろうか、このインパクトは ...
LOVERSSOUL『嵐が丘』【なんかスゴいのきたな。この起承転結感。なんか王道感】
なんかスゴいのきたな。この起承転結感。なんか王道感。昭和歌謡なのかなコレ。昭和歌謡と言ってしまうと90年代後半あたり以降の昭和歌謡ブームの一連かと思われるかもしれないが、そう考えると間違う。あの90年代後半の昭和歌謡は、平成から見た「 ...
Coldplay & The Chainsmokers『Something Just Like This (Tokyo Remix)』【確実に今年を代表する1曲となるに違いない、2組のコラボ】
この一年、ヒット曲を量産しまくっているThe Chainsmokersとのコラボ。確実に、今年を代表する1曲となるに違いない。それがColdplay来日公演ライブバージョンとして、新作EPに収録された。4月の東京ドーム公演は、お金のか ...