高橋優『素晴らしき日常』
【まだ笑うことはできるかい? まだ歩くことはできるかい?】
高橋優のメガネルックスがシンガーにとってプラスになるのかマイナスになるのかなんて下卑なことをついつい思って以来もう6年。現状から結論すれば、マイナスになんてまったくなりませんでした。それはやはり歌の良さが何より重要ということの証なのか ...
コシモトユイカ『暴力とガラスと』【自家中毒のように自分自身に刺さっていく歌】
キュートなルックスの女性ボーカルがアコースティックなサウンドで歌い始めたあたりで、もう騙されてる。歌が進むにつれてこの人の毒に、刺に、支配されていくような魅力に足がすくむ想いになる。あなたの心に刺さりたいと言い、ストリートライブでは今 ...
mock heroic『恋をする』【恋をする初期衝動、シンプルすぎるストレートなことが歌われてて】
もうホントにストレート。行間を読めよというような含みを持たせまくった歌詞の曲も多いしそういうのも好きなんだけれど、こういう「行間なんてねえよ、歌いたいことはそのまんまで歌ってるぞ」というような曲に出会うと瞬時にハッとするし、妙に嬉しく ...
Sparks『Edith Piaf (Said It Better Than Me)』【活動歴50年の兄弟バンドによる強烈エンターテインメント】
ああ、Sparksだな。このイントロと歌い出しを耳にして、金木犀の匂いを感じて、ああ、秋だな、と思うくらい、ごくごく当たり前に(そして肯定的に)受け止めている。活動50周年というのが、まずすごい。この兄弟に関しては、未だに謎めいたとこ ...
RETO『あのね』
【このMVの中に11個変わったところがあるの見つけられた?】
必殺のライム、グッとハートを掴む歌詞をパンチラインといったりするけど、本当にこの文字数で描けてる!っていう一文、好きです。心の掴み方は、熱さだったり、冷たさだったり。「やられたー!」と勝ち負けを感じてしまうのは、アイディアの一文。RE ...
ORANGE POST REASON『バックパッカー』
【自己主張のあるこういうドラム、ホント好き】
こういうドラム好き。イントロから全楽器がジャーンと鳴っているんだけれども、僕の脳にはドラムソロによるイントロというイメージが生成されてしまってる。そのドラムフレーズのまま歌が始まるものだから、AメロBメロもずっとドラムだけ鳴ってて歌が ...
太田裕美『君と歩いた青春』【40年で変わったこと】
朝ドラ「ひよっこ」で流れてきた挿入歌。なんともシンプルでなんともコミカルなその歌は「好き好きすー好きっすー」と繰り返しててすごく印象に残る。印象に残るのはその曲がもっているユニークさだけではなく、歌声そのものだ。舌足らずなその声、太田 ...
LUCKY TAPES『Gravity』【愈よな彼らの本懐が表出してきた空気感が充溢している】
異常は正常が機能調整しているときにこそ、意味の付与を及ぼし、サイケデリアは現実の切れ端の橋渡し役として、なんて悠長なことを言えるには編集されてしまう瀬で静かに揺れることができるリズムとはどこまでの低度を持つのだろうと考える。海に潜った ...
PINOS『暁』【儚さと力強さが同居する、ツインボーカル2人の決意の歌】
違うタイプの声質のツインボーカル。だから、儚さと力強さが同時に存在していて楽曲として興味深い。歌われていることは別れと、そこから先への躊躇のようなもので、サラリと聴けば失恋の話かと思ってしまう。だが、ある歌詞が気にかかる。「だけどイヤ ...
The National『Day I Die』【猛烈プッシュしたい、米インディーシーンの知性派バンド】
アメリカインディーシーンをけん引するThe Nationalが、その圧倒的存在感を見せつけるような新作を発表した。インディーバンドファンには期待の一枚だったのだが、高まりまくったハードルを余裕で超えてしまった、すばらしいアルバムとなっ ...