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THE SKIPPERS『TOGETHER』
【熱量を持ったバンドじゃないとできない熱い働きかけ】

いい! いいよこれ。普段めんどくさい文を長々と書いている僕ですけど、そして音楽鑑賞をする上でそういう考察も意味あることだと信じてるんですけど、結局はこういうシンプルに猪突猛進なエネルギーよりも大切なものってあるんだろうかって気分になります。いや、「〜よりも」とかいう比較が無意味ね。ただただ単純に熱くなる。シンプルにうおおおおぉぉぉぉぉってなる。破壊するために叩いてるんじゃないかと思ってしまうようなドラマーのスティック捌き。このベーシストの左右に揺れるステップ。曲中すべての瞬間で眉間に皺を寄せて歌うギターボーカル。多少自分のキーより高めのメロディでしゃがれていくのなんて気にしないぜっていう、上手いとか下手いとかいう領域を超えたところにある価値。これをエネルギーと言わずして何と言おうか。本当にカッコいい。

この曲、YouTubeの解説欄に「2020年変わっていく世の中。ライブ等自粛ムードの中、THE SKIPPERSから今の思いを新曲に込め」とある。曲のタイトルも『TOGETHER』で、MVの最後に「GO BACK TO LIVE HOUSE」と画面一杯に表示される。こんな猪突猛進なバンドもステイホームとやらに苦しめられているのだろう。それは他の多くのバンドと同じこと。ある者はステイホームながらも家でアカペラで歌い、ギター1本弾き語りで歌い、ZOOM的な感じのMVを作って歌った。それらはすべてリスナーとつながろうという工夫であり、表現を続けるためのアイディアであった。もちろんそれも素晴らしいけれど、このTHE SKIPPERSのようにライブハウスを舞台にして本当に熱いエネルギーをパフォーマンスとして見せつけて、リスナーをワクワクさせる。ああ、そうだよなライブハウスってワクワクできる場所だったよなと思わせ、ふらふらとその現場に足を運ばせようという表現も、シンプルながらもダイレクトな働きかけで、本当に素晴らしいなと思う。こういう熱い働きかけは、彼らのような熱量を持ったバンドじゃないとできないことなんだろうなあとも思う。

(2020.8.14) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl