Dominic Fike『Politics & Violence』【その佇まいも含めて、すべてが自然体】
昨年、「3 Nights」が個人的にも超ヘヴィーローテーションだった、Dominic Fike。心待ちにしていた彼のデビューアルバムが、もう間もなく発売される。うれしい! これはそのアルバムからの先行シングルだ。モダンなムードもありながら、メロウでどこか憂いのあるポップミュージックに、一発で虜になってしまう。力みすぎていない、この軽やかさ。途中でテンポがぐっと変わる展開もまた楽しい。鳴っている音もそうだが、その佇まいも含めて、すべてが自然体で表現されているような曲だ。依然、国内外を問わず、ライブやフェスに関しても見通しが立たない不安定な状況下、レビュー執筆時点ではどうなるのかわからないが(急激な一転、二転もありうる状況だ)、Supersonicのラインナップに名を連ねている。もし可能ならば、是非(配信で)見てみたい。こんな時代ではあるが、当然のように若い才能は次々と出てくる。重苦しい世の中だからこそ、その若さと軽快さが、あまりにも頼もしい。
(2020.7.29) (レビュアー:夜鍋太郎)