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GOOD TIMES ROLL『銀世界』【未来に希望を持って頑張ってもらいたいなと思わせてくれた熱唱】

この熱唱が好き。このバンドのことはよく知らないし、現状このMVの再生回数やTwitterのフォロワー数などを見る限り、まだ有名なバンドということではないのだろう。しかしそんな知名度とかどうでもいいことで、知名度が上がる背景にはプロが仕掛ける戦略とかそういったものが大きく影響するわけで、そういうのと今のところ何の縁もないからといって、彼らの実力が否定される理由にはならない。今回この『銀世界』という曲にたまたま出会って、静かに進行していく優しく哀しい曲に強い情熱を感じたのだった。思い出すのはもう20年以上前に出会ったアマチュアバンドの曲で、そのバラードの熱唱がもの凄かったこと。彼らはリーダーでボーカルの家族が重い病にかかってしまい、本格的なバンド活動を続けていくことができなくなり、自然消滅してしまった。そういうことがなければもしかすると大成していたかもしれないが、現実に「もし」は無い。どんな理由であれ、終わってしまえば終わったということ。逆にいえば、終わらせなければ別の未来が待っていただろう。そう思うと、バンドというのは本当に運命の糸の上で綱渡りしているようなもので、今回の自粛自粛で潰えてしまったバンドも少なからずあったのだろうなあ。このGOOD TIMES ROLLというバンド、たかが僕程度が好きになったことが客観的に優れたバンドの証になるというわけでもないだろうが、もしかしたら、という可能性を感じられる熱唱を聴かせてくれて嬉しかった。これから様々な試練があるだろうけれど、同じくらいにラッキーもきっと待っているはず。彼らも、そして他の多くの駆け出しバンドも、未来に希望を持って頑張ってもらいたいなと久しぶりに思わせてくれた熱唱だった。

(2020.6.23) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl