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Julia Jacklin『Pool Party』【まっとうではない何かの先にある、別にイイよね感が素晴らしいよ】

ジュリア・ジャックリンがひたすらルーズに踊っているMV。するとランニング姿の肉体だけマッチョなおにーちゃんが入ってきて体操を始める。不自然だ。不自然だが映像はそうなんだから仕方ない。退廃的というか、淫靡というか、いや、淫靡というほどではないが、まっとうではない何かが全編に漂っていて面白い。最後には歌ってたジュリアがプールに飛び込むが、タイトルのプールパーティーってそういうものなのか?アメリカのプール付き邸宅で、プールの周りで飲みながらワイワイやるようなパーティーを想像してたが、ここではどうやらそうではないらしい。海外のMVを見ていると時々おかしなものに遭遇するんだけれど、それはきっと自分の中の常識というものがとても狭くて、それとはまったく違った価値基準で生きている人がたくさんいる、ということなのだろうと思うし、そういう意味で、映像付きで海外の音楽に接するというのは、価値観まで含めた知らない世界へのドアを開けるようなものなんじゃないかなあと思う。どこかで見たようなスターがただ踊ってカッコいいぞとかいうものもまあイイけど、こういう知らない暮らし、知らない生活を見せてくれるMVはいいなあと思う。彼女の音楽の、リズムもメロディも肩に力がまったく入っていない感じの、リラックスできる音楽でありながらも聴いていると不安に陥ってしまうようなテイストがまたいい。不安に陥る何かがあるんだけれども、不安でも別にイイよね関係ないもんねと言わんばかりの唯我独尊ぶりもイイ。いろんなことに悩んでるのがバカらしくなるから、何かを抱えちゃってる人には本当にお勧めです。

(2017.7.18) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl