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ニブンノセクステット『umi』【ホンモノのダークさが滲み出るすごさ】

潮風の爽やかそうな海の風景から始まるMV。だが歌われるのは破滅と沈降の想い。爽やかとは真逆の内容に似合う、眼を見開いた表情と喉をひっくり返したような怒声のような歌。こういう歌をどうして思いつくんだろう、そしてなぜそれを歌うんだろう、さらには、誰がこういう歌を聴くんだろう。ライブで演奏し終えた時、どのようなMCをするんだろう。「みんな〜ありがとう〜」とか、間違ってもいわないだろうな。とか思うんだけれども、どうなんだろうか。ダークな歌を歌うバンドが珍しいのかというとそんなこともなくて、でもダークな歌を歌うバンドはみるからにそういうのやりそうだなという雰囲気が漂っていて。メイクして衣装もバッチリで、バンド名もそんな感じで、「さー、暗いのやりますよー」的な感じで。だから聴く側もそういうのが集まれるし、逆にそういうのが嫌いな人はいかなきゃ良いし。でもニブンノセクステットは一見そんな感じではなくて、HPにある写真なんかも普通のガールズバンド。なんなら明るめのポップナンバーとかやっちゃうよみたいな。なので、この曲聴いて軽く退く人は多いかもなあと思う。が、見るからに暗いのやりますよ的なオーラを身につけているミュージシャンは、中身はそれほど暗くなどないんじゃないかなあという気がしてて、だからこそ、ニブンノセクステットのダークさはホンモノなのかもしれんという結論に至った訳です。しかしながら、彼女たちは残念なことに一昨日の土曜のライブで解散ということ。どんなライブをするのかということを確認する機会は永遠に失われてしまいました。

(2017.8.7) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl