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ニガミ17才『おいしい水』
【カオスなポップさが押し寄せてくる迫力に圧倒される】

変な名前のバンドがいるなあと思ったら、曲も変で、なんだこの猫背なボーカルはどこかで見たぞ誰だろうと考えてみたら元嘘つきバービーの人だった。2013年に突如解散し、2015年にこのバンドを始めたということらしく、2年も知らなかったのかオレ。で、ボーカル以外メンバーも違うので比較してみるのもおかしな話なのだが、嘘つきバービーの頃の方がどちらかというとアンダーグラウンドな印象があって、こちらの方がポップ。これでも。そういう違いがこれまでのファンにどう受け取られているんだろうかというのは興味深い。ただしこれまでのファンを引っ張りつつ音楽活動をしたいということに重点が置かれるのであれば解散などしないはずだし、岩下優介の中ではこのバンドでやりたいことと以前とではまったく別モノなのではなかろうか。リスナーはどうしても比較してしまうけれども。で、この岩下優介は特殊な才能の持ち主で、平たくいえば現代の天才の1人で、だからどのようなテイストの音楽を発表しようと生み出された音楽そのものは確実に注目に値する。だったら2年も知らなかったってなんだよって怒られそうだが、まあスマンスマン。いずれにしてもこうして再発見できて、できたならやっぱりみなさんにも紹介したいと思った次第。遅いって、スマンスマン。太ったオッサンが水飲みながら水かけられてて嬉しそうに笑う動画に「乾き〜」というコーラスが繰り返されたところでまったくこちらの喉は乾いた感じにならないんだけれども、この曲を聴いて歌詞を追ったところでまったく感慨も沸き起こってこないんだけれども、曲全体のカオスさが迫ってくるこの迫力というか不思議な圧力にはとにかくもうマイッタという感じで、ひれ伏すしかありません。

(2017.8.31) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl