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山口百恵『ラスト・ソング』【それもこれも完全引退で伝説となった故のことなのでしょう】

このところいろいろなアーチストが期間限定で過去のライブ映像をフルでYouTubeに公開みたいなことがされてて、嬉しいな嬉しいな、でもそんなに全部観られませんよ、1日に2ライブずつ観たってほとんど無理。ライブ映像だけじゃなく、過去のMVを突然公開し始めたアーチストもいて、嬉しいな嬉しいな、でもやっぱり全部観るなんて無理です。そうこうしているうちに自粛生活も解除されて、仕事も徐々に再開されて、ますます観る時間は無くなります。

そういった流れのひとつなのか、山口百恵の約600曲がストリーミング配信開始ということで、早速Spotifyで聴いてみようとアーチスト検索をして、なんだこれめっちゃ多いな。そりゃ600曲だもの。全部聴くなんて無理です。というか、アルバムリストには40曲とか65曲とか収録のベストアルバムが多数並んでるし、出演した映画のサントラや、『第1回百恵ちゃんまつり』って、興味深いけど、いざ聴いたら微妙にツラいんじゃないかって思ってクリックする勇気がありません。結局、どれも聴くことなくSpotifyの画面を閉じました。

だからといって山口百恵がダメというのではないのです。良いのです。この歌いっぷり。19歳らしいですよコレ。なんという感情の込め方。涙って自由自在に流せるものなんですかね。それとも歌に没入すれば自然と涙流れてくるものなんですかね。よくわかりませんけど、この人が引退後にもし、もしもですよ、あの人は今的な番組に呼ばれて登場したりしてたらどうなったんだろうとは時々思います。例えば尾崎豊も夭折したから伝説になったわけで、生きていたら今頃54歳のオッサンなわけで、オッサンの尾崎豊が今も歌ってたり、場合によってはバラエティ番組の常連になってたりしたら、伝説などではなくなります。山口百恵は亡くなってないけど、表舞台に出てきたりなど一切していないわけで、だからこその歌姫伝説の頂点に今も君臨しているんでしょう。ま、歌い続けててこの感情の込め方で61歳を迎えていたらどうだったろうなあという妄想もありますが、それもこれも完全引退で伝説となった故のことなのでしょう。

(2020.6.6) (レビュアー:大島栄二)


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Posted by musipl