しなの椰惠『16歳』【娘が『16歳』でギターを手にして親を断罪するカタルシスを】
今読みかけのノンフィクションが、男が浮気して離婚する物語でなく、愛人宅でも実の子を認知子育て、2つの家庭を大事にしてる本で、それが成立するだけのお金持ち。本妻の方の長女が結婚する時に戸籍に行き当たり、自分に会ったことのない弟が居ることを知るのか?それも、見られたくない戸籍を一瞬抜いて、また戻すことがお金さえあればなんとでもなるようです。でも、最終的には、男の葬式の時、遺言が、遺産が、で全ては詳らかになるのでしょう。その時は、責められる男はすでに不在。もとより、刑務所へ入るような事案でもなく。読者としては、娘が『16歳』でギターを手にして親を断罪するカタルシスを求めてしまう。
(2020.4.24) (レビュアー:北沢東京)