<!-- グーグルアナリスティック用のタグ -->

荒牧リョウ『輝いて』【3分だけの立ち止まる時間が、あなた自身の生活の質を上げていく】

力強い歌。こういう歌が野外のステージでパフォーマンスされている。歌の背景でロカビリーのリズムが薄らと入っているのが聴こえる。複数のステージで同時並行的にパフォーマンスが行なわれる形の野外フェスのようなものでのパフォーマンスだろう。それぞれのステージにどのくらいの人が集まっているのだろうか。もちろん各アーチストの知名度などで違ってくるのだろうが、「東京から来ました」と言っている荒牧が山形で知名度が抜群とはなかなか思い難いし、そうなるとストリートでのフリーステージだとしても多くの観客を集めているとはなかなか思い難い。こういうことはけっして珍しいことではない。近くの中規模程度のショッピングセンターでも時々週末に弾き語りシンガーのステージが企画されたりする。客席をポツポツと埋めているのは単に座れるイスがあるからというだけの老人ばかりということもある。それでもステージに立つシンガーは精一杯のパフォーマンスを見せる。でもほとんどの人は立ち止まることもなく、聴くこともなく通り過ぎる。無名であるのには理由もあるし、有名でなければ立ち止まる価値がないと思い込むにも理由はあるのだが、そういう人が海外に行って街角のストリートパフォーマーに遭遇すれば立ち止まって眺めて、場の雰囲気に押されてコインを投げてみたりするよ。話が逸れたので戻すけど、つまらないパフォーマンスをしているだけのシンガーもいるけど、上質で渾身のパフォーマンスを見せてくれる人もこうして存在しているのだ。まずはこの動画を見てみて、そしてもし街角でショッピングセンターで歌っている人を見かけたら、立ち止まって3分だけでも眺めてみてはいかがだろうか。その3分があらゆるパフォーマーの質を上げるし、そしてあなた自身の生活の質を上げていく。3分ほど立ち止まる時間も無い人なら仕方ないけれど、3分の立ち止まる時間が無い人など、現実にはほとんどいないと思うよ。

(2018.4.20) (レビュアー:大島栄二)


ARTIST INFOMATION →


review, 大島栄二

Posted by musipl