Joe Armon-Jones『Starting Today』【とっつきやすい新世代のジャズ・セッション】
今、ロンドンのジャズシーンが熱いことになっておいもす、と西郷どん風に始めてみた。皆さん、いろんな意味で当惑されているだろう。だが、このところUKジャズアーティストの新作が続けざまにリリースされているのは確かなのだ。というわけで、このセッション動画をご覧いただきたい。現在の南ロンドンのジャズシーンを代表するような、アーティストたちが集結。どこか小難しそうなジャズに対するイメージから敬遠しがちだったリスナーも(わたしもその一人だ)、Robert Glasper以降というべきか、このような「新世代」の音楽はとっつきやすく、親しみ深いものになってきた。あ、かっこいいじゃん、とダイレクトにわかりやすい。まさに、これもクロスオーバージャズを体現する一曲ではないだろうか。ジャズをベースにしながらもさまざまなジャンルをミックスし、音楽的エッセンスが濃密に凝縮されている。このダイナミズムあふれるグルーヴ感に、心躍らずにはいられない。
(2018.5.23) (レビュアー:夜鍋太郎)