梶芽衣子『凛』【71にして凛とした姿勢で、かつてのファンだけじゃない世界戦略なのか!】
梶芽衣子、ニューアルバムをリリースしたらしい。梶芽衣子ですよ、梶芽衣子。いつの人ですか一体。調べたら71歳。これがどのくらいかというと、例えばアンルイスが2018年現在で61歳。ユーミンが64歳。都はるみが70歳。で梶芽衣子が71歳。女性の年齢をどうこう言うのは野暮だし失礼だとは承知だが、それでも71歳でこのスタイルと歌唱力と表現力。カッコいい。あなたの周囲にいる71歳にこんな人いますか。本当にすごい。この動画はライブ映像だけれども歌はレコーディングした音源をあててますね。でもライブ自体は客もいるしちゃんと歌っていると思われ、きっときちんと声は出るものだろうと思われます。いや、71歳で多少声が出てなかったり掠れてたりしてても問題など全くないんですけど。歌詞が「凛と生きれば生き辛くとも、孤独の中に紅色の華」とあって、これはもうこの人の歌っているたたずまいがまさに凛。同世代のかつて梶芽衣子に憧れた人たちもそんなに憧れなかった人も、今のこの姿を見るだけで背筋が伸びそうな気になります。歳とったから自動的に引退したり引きこもったりするのではなく、いつまでも命を燃やしていいのだと。それにしてもこの動画がわざわざ歌詞を英語で字幕入れてて、一体どこを目指して頑張っているのかまったくわからなくて興味深い。若い頃に自分のファンだった人を掘り起こして一稼ぎしようという懐かしスターの活動だったらわざわざ英語字幕入れるわけないし。そんな姑息な小銭稼ぎ活動ではなく、敢えて海外にも打って出る的な、世界の見知らぬリスナーに訴えていこうという果敢な戦略を練っているのでしょうか。だとしたら本当に梶芽衣子すげえな、このたたずまいとかのレベルじゃなくてすげえなとただただ感動してしまいます。
(2018.6.9) (レビュアー:大島栄二)