CUICUI『さよなら神経』【独特のグルーブ感に身を委ねるように楽しむというのが】
なんかカッコいいぞ。この数年J-POP(?)の世界にはアイドルグループがはびこってて、その影響なのか美形女子ボーカルのバンドも増えて、男ばかりのバンドはMVにモデル女子(?)を使って本人は出てこないような事態も増えて。オマエらそんなに美形女子が好きなのかよ、音楽よりルックスかよとお嘆きの音楽ファンも多いことでしょう。それに較べてこのCUICUIの潔さ。いや、何が潔いのかって恐くて言葉にしたくありませんが、いやあ潔い。世の中に広がっているステレオタイプな美しさとは一線を画した自分たちの美しさを押し出していてカッコいい。そういうことを言ってる時点でオマエも音楽よりルックスなんじゃないですかというご批判はあるでしょうし甘んじて受けましょう。ここで思うのはYMOが登場した時にあの人たちカッコよかったのかと。今でこそユキヒロさんダンディとか言われたりもするけど、どうなんですかね。でもそんなこと関係なく音楽の力で自分たちの存在を認めさせちゃったし、初期のツアーで一緒に回ってた矢野顕子も音楽の力オンリーで認めさせちゃったし。そういうのになっていって欲しいなあと思ったりしますよ、ええ。「さよなら神経」というタイトルからは、たまの「さよなら人類」を彷彿としてしまいましたが、音楽性はあまり関係ないですね。歌われている神経というのは歯の神経のことでしょうか。虫歯は痛いですから神経抜きたいという思いは強いでしょうけど、虫歯じゃない人にとってはあまり関係ないしピンとこない歌詞ですな。歌詞は一応ついているし歌ボーカルがあるけれども、それもサウンドのひとつとして、曲が持っている独特のグルーブ感に身を委ねるように楽しむというのが正攻法的楽しみ方であるように思います。
(2018.10.26) (レビュアー:大島栄二)