Pomplamoose『Mister Sandman』【ミュージックビデオの作り方として、ひとつのお手本】
ミュージックビデオの作り方として、ひとつのお手本と断言してもいい面白い作品。右と左のステレオサウンドにはいろいろな楽器の音が混ざっていて、でも演奏に詳しくない人にとっては「歌声」と「楽器」の2つに聞こえてしまうことも少なくない。それは楽器がどういう感じで入っているのかを体験していないからなのだが、このビデオを見れば、ひとつの曲にどういう感じで楽器が含まれているのかが手に取るように理解できる。さらにはNataly Dawnが歌っている顔が3つ並んでて、メインボーカルとコーラスの関係性というものも自然と理解できたりする。このPomplamooseはさまざまなカバーを同様の手法でビデオ化し、原曲の知名度とビデオの面白さで知名度を高めている。まさに「プロモーション」につながっているビデオだといえるだろう。ビヨンセのカバーをしている動画などは1000万回超の再生回数になっているが、僕は古いフォークソングをカバーしたこのビデオが一番好き。曲のセレクトという意味でも、ビデオが音楽をよく伝えているという意味でも。
(2014.8.9) (レビュアー:大島栄二)