センポクカンポク『你好』【前向きな明るさとか気持ちを教えてくれているメッチャ明るい曲】
昨今の新型コロナウィルスの件で、中国人観光客が日本から消え去って、京都では「清水寺や金閣寺、嵐山が閑散としてる、この静けさこそが本来の京都だ」みたいな声があがり始めている。おいおい、ちょっと待てよ。インバウンドって国策じゃなかったんか。他国が新型ウィルスの蔓延で困窮しているのを「良かった」的な声をあげることの愚かさったらない。30年40年前に日本人がようやく海外旅行できるようになって世界中に出かけていった頃に「エコノミックアニマル」とか言われて、哀しい思いをしたことなど忘れてしまったかのような言い草が本当にキライ。あの頃だって日本人が観光名所に相合傘の落書きしたとか結構話題になったぞ。そういう一部の日本人観光客を恥ずかしく思ったし、そういう一部の素行不良日本人観光客の愚行をもって「日本人は本当にダメ」とか言われたことが哀しかったし。
だから、新型コロナウィルスの騒動も沈静化して、またちょっと前のように中国人を含めた世界中の人たちが気軽に日本を訪れられるようになったらいいと思う。そのためには、日本の人が中国の人と心の底からフレンドリーにならなきゃいけなくて、この数週間で表出してた、「中国人観光客がいなければ静かでいいよね〜」的なクソ意見を封じ込めるくらいに、圧倒的大多数の普通の人が中国の人を好意的に思うようにならなきゃいけないと思います。
そういうことを考えると、このセンポクカンポクという東京のバンドが歌う『你好』はとてもステキだし、この曲が流行ってくれればいいのになと願う。曲の間中「ニイハオ」と「チャイナタウン〜」が繰り返される。その繰り返しだけでも朗らかな気持ちになれる。歌詞で「隣の街から引越して来たちょっとクセのあるお隣さん/わたしの知らない言葉を話す太陽みたいなお隣さん/何でもいいから声をかけたい 仲良くなりたいお隣さん」と歌われてて、ああ、友好の基本だよなコレと納得する。自分の知らない言葉を話すだけで毛嫌いする人も多い。そこを勇気出して自分から壁を破っていけば、大抵の人とは仲良く出来る。文化が違っても、人の心根なんてたいして変わらないし、心を割って話せばいいんだ。そういう前向きな明るさとか気持ちを教えてくれているようで、この曲大好きだ。
(2020.2.18) (レビュアー:大島栄二)