宵待『BE』【淡々としたパフォーマンスでとっても好き】
淡々としているね。ミュージシャンが自分たちを演出して実力以上の何者かに見せようとすることは普通に多くて、その非普通さに惹かれてファンになる人も、逆に鼻について敬遠する人も。僕などはそういうのがちょっと苦手で。だってレーベルの人としてどれだけすごいアーチストなのかと知らせようと、時には大きく膨らまして誇張してということをさんざんやって来たので、そのアーチストがどのくらい膨らまされてその姿やパフォーマンスなのかということはだいたい読めてしまうので。そんな視線でこのバンドを見た時に、なんと淡々と等身大なのかとビックリしてしまうくらいにありのまま。売れたいとか思ってないのか、多分思ってないのだろうなあ。でも売れようと売れまいと、売れていようと売れていまいと良いものは良いのであって、このバンド、とっても良いなあと繰り返し繰り返し聴きながら確信していくのです。動画前半で各メンバーがそれぞれ演奏している様子を固定カメラで。顔なんて半分しか映っていなくて、その謙虚さというか顕示欲の欠如というか、演奏さえしっかりしてればそれでイイだろといわんばかりの姿勢もまた好感持てます。男性ボーカルがさほど華麗とはいえない歌声で淡々と進行していくところでキーボードのサラさんの一瞬FOLDER時代の三浦大地かと思うようなボーカル(いや、聴き較べたらけっこう違いますけど)が切り裂くように入ってきてステキ。
(2019.1.25) (レビュアー:大島栄二)