森ゆめな『キラキラ』
【4月に新しい生活に飛び込もうという人たちに僕はこの曲を贈るよ。きっと大丈夫】
新しいことに向かっていくときに、不安がない人なんているわけなくて、誰もが怖かったりして足が震える。それは変化につきもののことで、仕方ない。だが変化というのはマイナスへだけ向かっているのではなくて、プラスの良いことが起こる可能性だってかなりある。だから怖れたり震えたりばかりいるのはおかしな話で、怖れるのと同等かそれ以上に希望に溢れた笑顔が沸き起こったって良いはずなのに、多くの人は怖がるのが先に立つ。それが変化であり、前進ということの本質だったりする。しかし怖れてばかりいたら前には進まないし、震えていたら普通に歩くことさえ出来なくなる。だから、普段できない特別なパフォーマンスじゃなくていいから、日頃できている「普通に歩くこと」だけしていければ、とりあえずは前に行ける。その最初の一歩を踏み出すために必要なことが勇気で、友達や仲間や家族が、勇気を持つための後押しをしてくれればいいのだけれど、友達や家族がいない人もいるだろうし、いたとしても逆に不安を煽るようなことしか言ってくれないということだってあるだろう。そういう時こそ音楽の出番だ。音楽なんて自分のことを知りやしないし、無責任なことを言ってるだけだろうとネガティブなことを言う人もいるかもしれない。でも、友人や家族の励ましだって同じくらいに無責任なものだ。それでも励ましの言葉は意外に効くものだ。だから、4月に新しい生活に飛び込もうという人たちに僕はこの曲を贈るよ。その声からして無責任丸出しの能天気さが心地良い。跳ねるリズムで「大丈夫」とか「うまくいくよ」の連発。ネガティブが入り込む余地なんてまったく見出せないほどだ。たとえ失敗したって転んだって「その時きみは強くなる」と断言してくれる。出来るだけ笑えと、笑う角には福きたると。そうだよね。笑顔ですごしていればそれだけで人は寄ってくるし、友達もできる。ほんとうにきっとうまくいくような気がしてくる。根拠なんて無いけれど、きっとうまくいくよ。大丈夫。心配なんてするだけ無駄だよ。根拠はないけどね。きっと大丈夫。
(2019.4.8) (レビュアー:大島栄二)