GLIM SPANKY『ストーリーの先に』【安定の実力派。もう言葉で表現する方法が見つからない】
GLIM SPANKYを最初に知ったのはメジャーデビューの前年2013年の夏で、その頃に書いた拙いレビューが残っている。「今後の活躍も期待できるんじゃないかと思います」とかなんとか。そんなもん、期待どころの騒ぎじゃないくらいの活躍ぶりで驚く。数々の楽曲のワイルドさは周知のところだが、こうした静かに響いてくるようなナンバーも実に渋くてジワジワくる。個人的にはLOVE PSYCHEDELICOに近い何かを感じてて、いやサウンドも佇まいもまったく違うのだが、何かと群れようとしない孤高さのようなものをついつい感じてしまうのだ。具体的にどうこうということではないけれど、オマエら知らんわ的な突き放し感。普通はミュージシャンは売れたいし、業界のエラい人とか挨拶にきたらペコペコしちゃって。もちろんステージ上ではそんなこと見せたりしないんだけれど、そういうのって、滲み出るものだし、なんとなくわかっちゃう。そしてちょっと売れたりすると自分だけがエラいみたいなテイストになって、それも滲み出るし、わかっちゃう。そういうペコペコを最初からしない人と、たとえしてたってファンにはまったく見せない人と、それだけが本物だとすると、彼らは数少ないそんな人たちじゃないかなあとか思う。
6年前の拙いレビューが過去レビューとしてTwitterで紹介されたりすると、他のレビューやアーチストより遥かに強い熱量でリツイートとかされていく。ああ、彼らのファンは熱いんだろうなあと実感する。そういうわけでずっと気になり続けているバンドだし、いつかまたレビューしたいなあと思い続けてて、でもそういうタイミングがあまり無くて。なので今回新作MVが挙っていたので取り上げようかなあと。とはいってもこのバラードが彼らの真骨頂ということでもなければ、プロモーションに最適のタイミングということでもないし、ただ、曲を聴いてください的な、ほとんどレビューの体を成さない文章になってしまってて申し訳ない。この曲を通じて、いろいろな曲を掘り起こして聴いてみるのが1番いいと思います。
(2019.12.14) (レビュアー:大島栄二)