純情マゼラン『踊るお坊さん』【踊るお坊さんくらいいてもおかしくないだろと思ってたら、既にありました】
昨今仏教界もいろいろな試みが行なわれているようで、坊主バーではお坊さんがカクテルを作ってくれるそうだ。行ったことないから本当かどうかは知らないけれど。京都でも名刹中の名刹、浄土宗総本山の知恩院ではお坊さんによるバンドが結成されていて、その名もぽくぽくすまいるが法衣を着たライブを山門前で披露したりしてて人気だ。だから踊るお坊さんくらいいてもおかしくないだろと思ってたら、既にありました。浄土宗・天台宗という宗派を超えて結成されたブレイクダンスユニット「廻天坊主」らしいです。何を考えているんだろうか。もしも自分の家の法事にやってきたお坊さんが別の日にはブレイクダンスしているとか知ったらどういう気分でしょうね。そういえば20年以上前に父が亡くなり、葬儀にやってきたお坊さんの車を駐車場に停めにいく役割をしたんだけれど、乗った途端に車内にはTUBEの曲がストップザシーズンインザサ〜ンって感じで爆音で鳴ってて、ああ、このお坊さんはTUBEを聴きながらやってきたのかあと複雑な気持ちになったことを思い出します。いや、ね、20年前ですからね。8月でしたしね。若いお坊さんもTUBEくらい聴くでしょうよ。移動するマイカーの中でもお経CDを聴いてたりはしないでしょうよ。それは仕方ないですよ。でもねえ、父の葬儀にTUBE坊主がやってきたら、なんかねえ…。いいんですけどね……。
純情マゼランというバンドはこのちょっと前に『純情ダンス』という曲のMVをアップしてて、あれですかね、ダンスが好きなんですかね。ロックバンド? ダンスバンド? いやそれもどうでも良いっちゃ良いんですけれど、個人的にはこのMVでメンバーが踊っているけれどお坊さんテイストはそんなに感じなくて。でもひたすら踊ってる彼らの姿になにかしらのピースフルを感じました。すべてのバンドマンは売れるために必死みたいなオーラ出してないで、彼らのようにオレたち好きなことやってるだけだぜ的な音楽活動をやってもらえないかなあとか思います。
(2019.11.29) (レビュアー:大島栄二)