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平田クミ『あたりまえ』【怒ったり泣いたり、素直な感情表現を、あたりまえに】

あたりまえって何ですかね。毎日毎日ひとつひとつの行為を考えながら行動してなどいないから、なんとなくこれがあたりまえとか、常識だからとかで生きているのが普通。でもその自分の中のあたりまえがよくよく考えてみるととんでもないことだったりするので、時々自分の中の常識やあたりまえを疑って、見直してみることは大切です。

とはいえ、ほとんどの人の行動がいつの間にか常軌を逸した何かになっているということは案外稀で、たいていの場合は他人を傷つけることなく、平々凡々に暮らしている。この曲で平田クミはいろいろなあたりまえについて歌っている。その中で「あたりまえに寂しがって、怒って泣いたりして」というところがイイなと感じた。他人を傷つけたりしないために、自分の感情を押し殺して無理に笑顔を取り繕うことは多い。それが社会的あたりまえなのだとしたら、怒って泣いたりするということはその対極にあるもので、わざわざ「あたりまえ」と断ってでも取り戻すべきは、そういう素直な感情表現なのではないだろうか。
まあ難しいことなんて考えなくても、心地良い歌声で淡々と歌ってくれるこういうスローな歌を照明が落とされたライブ会場でしんみりと聴いたら、それだけですっかり心地良くなれるだろうな。

(※2019.11.5に動画が削除されているのを確認しました。レビュー文面のみ残しておきます)

(2019.6.10) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl