girl in red『Serotonin』
【すごく近い距離ですてきな曲を唄ってくれているような親密さ】

ノルウェー出身のgirl in redが待望のファーストアルバムを発表した。現在22歳。その若くしてあふれる才能に関しては、1曲聴くだけでも確信させられる。これはもうドストライクの好みだ。メディアでは、彼女の心の闇を歌ったとか、自身の性的傾向の話などが記事になっているのだけれど、そういうバックグラウンド（自分でも記しておいてなんだか、年齢うんぬんだって）を知らずとも、豊かなポップミュージックだな、とただストレートに受け止められる。だから、メロディだけでもじっくり味わってもらえたらうれしい。この曲のタイトルからしてメンタルヘルスに関することを歌っているのだろうけれど、MVだけの印象だけで言えば、そこから垣間見える自然体な様子がすごくいい。ラフな格好でキュートで切なくなるほどのポップを歌い上げる、その佇まいがいい。すごく近い距離ですてきな曲を唄ってくれているような親密さを感じさせる、とても魅力的なアーティストだ。

(2021.6.16) (レビュアー：夜鍋太郎)

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