クジラ夜の街『ラフマジック』
【絶望的な状況を歌にしつつも、ハッピーエンドに感じさせる力を持っている】
この浮世離れした感が全体に広がっていて面白い。ちょっとしたフレーズや語尾の発し方、挟み込んでくるリフに、何よりこの物語性などがamazarashiに似たところがあって、しばらくはそんな感じにカテゴライズしつつ聴いていたけれど、なんか違 ...
JAGATARA『みちくさ』
【生きていれば、今もよくわからないような曲を作って歌っていたのではないか】
このあいだJAGATARAを久しぶりに聴きたくなって、聴いてみたら意外と普通だった。なんだろう、時代が丸くなってしまったのか、それともこちらの耳が丸くなってしまったのだろうか。JAGATARAは1980年代に活躍したバンドで、今ではフ ...
窪み『普遍』
【彼女にはどんな心の闇が秘められているのだろうか】
なんかすごいなこれ。なんかって何だよというツッコミが入ることを覚悟しつつも、なんかすごいとついつい言ってしまう。MVの映像はチープなアニメ、というか人形劇のようなしつらいで、ごていねいにも舞台に幕が下がったり、舞台の背景がチェンジした ...
Aily LULU『ぬくもり』
【負のエネルギーに満ちているのに、ほんのりと優しくてあたたかい】
暗い部屋の中でほとんど動きのないMV。ベッドのようなところで寝てて、起きるけど灯はつけずにスマホを眺めて、またうずくまる。暗い部屋の中でスマホを眺めると顔面だけが照らされて、ちょっとばかり「オバケだぞ〜」って言ってる人みたいに見える。 ...
The Chemical Brothers『The Darkness That You Fear』
【重苦しい時代の空気の中で放たれた、どこか切なくなるエレクトロミュージック】
とっくにレビュー済みだと思い込んでいた。以前、サマソニの特集記事を書いた記憶とごっちゃになっていたらしい。というわけで、今このタイミングで、みんな大好きThe Chemical Brothersを初めて取り上げる。2年ぶりの新曲が発表 ...
YUMA HARA『Candy』
【1人バンドミュージシャンという稀有な才能と実力】
1人インストバンド。モデルルームかと思われるおしゃれな部屋で楽器を演奏するプレイヤーが次々と映るけれど、これ全部1人。YouTubeの説明欄(?)にはアーバンソウルと紹介されていて、ふーんこれがアーバンソウルなのかとそれなりに納得する ...
tambi『春だった』
【誤解していたことに気づいた時にはすでに取り返しがつかない】
君が春だった。人間が春のわけがないのに、そうだよな、そうだよなと納得する。寒い季節が終わって心もほころぶ季節、それが春。それは人の心にとって単なる季節の話ではなく、そういう心持ちを持たせてくれる何かを指す言葉でもあり得るということを、 ...
KAN+秦 基博『カサナルキセキ』
【真剣なテイストで面白いことをやった方がより面白みが増すという不思議な曲】
すごくとっ散らかっていると思う。KANと秦 基博が共作しているのならさぞや整った良い曲だろうと思って聴いてみると、これ。いや、「これ」とか言っちゃいかんのはわかってる。そんなこと言うと両方のファンから怒られそうでこわい。だが、やっぱり ...
山本紗江『クライザライト』
【夢憧れに棘の道は覚悟の上、飽きないうちは挫折は無い】
M-1グランプリは結成10年規定で芸人に辞めるきっかけを与えていたが、10年たったコンビがピン芸でR-1に、ベテランピン芸人が結成初年でM-1に挑む時代。諦めないやり方がいよいよ分かってきた。高度経済成長の様な景気は来ないなら思うまま ...
Bialystocks『Nevermore』
【盛り上がることには疲れたという時に、こういう音楽を聴きたい】
ポップミュージックって、基本的には明るく盛り上げるテイストに満ちているものだと思う。でもこれ、そんなに明るいテイストではないし、どちらかというとむしろ暗い影に包まれているような印象さえある。なのに、妙にポップだ。もしかすると僕が音楽に ...