MELTME『Virus』
【おどろおどろしい歌詞をすべて包み隠してしまう圧倒的な爽やかサウンド】
鼻から血を流している男が歌っている映像がずっと映されている。その男が歌っていると思われる歌はクセが強くて、その歌声だけでは何と歌っているのかがすぐにわからない。まるで本当に口や鼻の中を切っていてまともに歌えないのではないかと思うくらい ...
Doves『Prisoners』【なぜこのバンドを好きだったのか、改めて気づかされる】
2002年の2ndアルバムは、Dovesの代名詞と言える名盤だ。私にとっても非常に思い入れが強い。そんな彼らが今年に入り、実に11年ぶりの新曲をリリースした。アルバムも9月に発売する。停止、休止、解散、どの状態だったかはわからないが、 ...
Shiki『選べない』【明確にしないことがアイデンティティのバンドなのだろうなあ】
熊本を拠点に活動するというドラムレスバンド、Shiki。ドラムレスといいつつもトラックにドラムの音はしっかりと入っている。それもそのはずで、彼らは基本DTMで創作活動をしていて、冒頭のバンドロゴにも「Desk TopMusic Dru ...
ベルマインツ『ハイライトシーン』
【シンプルながらも些細な工夫を積み重ねているスタイリッシュさ】
なんだろうこのスタイリッシュさ。スタイリッシュといっても最先端のテクノロジーを駆使したことで生み出されるドヤ感なんかではなくて、アナログな感じのスタイリッシュさ。80年代にようやくミュージックビデオがテレビの深夜帯で番組として放送され ...
松本佳奈『幕開け』【誰かに理解してもらえるとは思えないその表現が、巡り巡って価値となってここにある】
誰もが、最初は売れたいと思う。だから売れている誰かのスタイルを真似る。売れるということは多くの人に支持されるということで、だから、多くの人に共通する何かを代表するような表現をすることになっていくし、それは誰もが持っている表層の上澄みの ...
CY8ER『サマー』
【もう話せる場所に居ないのにいつか会える約束のよう】
『サマー』は、ずっと君に語りかける歌詞が、過去のへの手紙のようで、もう話せる場所に居ないのにいつか会える約束のようです。バンドサウンドでなく、EDMのトラックで「レスポールで下手な歌を聴かせて」とか、構造がカッコよくサイバー空間に漂う ...
METAFIVE『環境と心理』
【曖昧に留めることで意味を受け取る側の裁量に任せているような表現】
METAFIVEの新曲がデジタルでリリース。4年ぶりのリリースだとか。4年も特に活動がなければ普通はもはや解散したのかと思わるだろうし、僕も実際そう思ってたし、彼ら自身もそう思われているという自覚があったのか、この新曲MVを公開する1 ...
Dinner Party『Freeze Tag (feat. Phoelix)』【ときめきとノリノリが混じり合うチャーミングな曲】
カマシグラスパーテラスマーティン!!! カタカナ的に連ねると、まるで何かの必殺技みたいにも聞こえる(自ら感嘆符をつけておきながらこの言い草もなんなんだが)。正確に綴ると、Kamasi Washington、Robert Glasper ...
アラウンドザ天竺『Auto Rock Is Dead』【悪ふざけ系ラウドロックの、これは頂点だと言っていいのではないだろうか】
アラウンドザ天竺好きだわ〜。このKISSか聖飢魔Ⅱかというような悪魔(?)メイクはネタなのか? そしてこの動画のアーチスト名に「Ninja of Samurai(アラウンドザ天竺)」とか書いてあって、どう表記すべきか迷うが、まあいいや ...
Lana『それだけで』【カッコいい音を100%追求している方がリスナーにとっては重要なことなのでは】
シンプルでカッコいい。ロックバンドの初期衝動に特に理由なんて要らなくて、シンプルに音を掻き鳴らして、それがカッコよければそれだけでOKのはずで。でもそれだけだと見知らぬ誰かに音を聴いてもらうというところまでなかなか到達しないものだから ...