amazarashi『未来になれなかったあの夜に』【過去の延長線上にある今の自分として「ざまあみろ」を噛みしめる】
amazarashiの音楽はいつも横たわる問題とそれに対する諦めのような現状容認がある。一時期それとは違うフィールドに踏み出したかのように感じたこともあったが、今作では王道ともいえる悩みの中心に仁王立ちしているような趣がある。 ...
純情マゼラン『踊るお坊さん』【踊るお坊さんくらいいてもおかしくないだろと思ってたら、既にありました】
昨今仏教界もいろいろな試みが行なわれているようで、坊主バーではお坊さんがカクテルを作ってくれるそうだ。行ったことないから本当かどうかは知らないけれど。京都でも名刹中の名刹、浄土宗総本山の知恩院ではお坊さんによるバンドが結成されていて、 ...
なきごと『ドリー』【なんだ結局1年前のレビューと同じことを書いているぞ】
1年ぶりのなきごと。やっぱりギターがカッコいい。特別な奏法をしているわけではないし、超絶な技があるわけでもない。なのにこれだけギターがカッコいいのはなんなんだろう。ときどきいるんです。サンボマスターの山口隆なんかもそうで、こいつギター ...
ハルラモネル『ランプ』(selfreview)
岐阜在住名古屋を拠点に全国で活動をしているシンガーソングライター「ハルラモネル」の2nd mini album『インターネットが知らない世界で』が、2019年11月30日に全国リリースされた。発売決定に合わせて、リードトラック「ランプ ...
Kanye West『Follow God』【傑作とも評せられる所以は、やはりトラックのかっこよさ】
Kanye Westの動きはまるで予想がつかない。最新作が出る……え、出ないの? と一転二転どころか何転かした結果、突発的にリリース。その名も「JESUS IS KING」。ゴスペル(ラップ)アルバム、という怪作(傑作)なのだが、その ...
アシノイヌ『ダンス・リー』【ハラハラしながらこういう原石の行方を眺めるというロックの楽しみ方】
ワイルドだ。とにかくワイルドだ。ワイルドはワイルドなりにワイルドのドレスコードをしっかりと押さえた上でワイルドなテイストを打ち出しているバンドはそこそこいるけれど、彼らはそんなの知らねえよとでもいわんばかりの素っ気なさ。このMVを見て ...
HEADLAMP『Country mom』
【その点、この曲にはどういうわけだか哀愁がある】
猪突猛進。若者の突破力のようなものを感じる。終始明るいテンションに貫かれた5分ちょっとの曲には、そのテンションとは裏腹に旅立ちの切ない気持ちが詰まっている。ピーター・ポール&マリーのカバーで有名な『500 miles』にも通じる旅立ち ...
ルルルルズ『わたしからあなたへ』【想像とは違う何かを持った音楽を、ただ受け入れつつ淡々と】
新作を期待するアーチストというのは何組かいて、ルルルルズはそういう期待をずっとしているバンドだ。新作を期待するというのは、新作を聴いたらきっと満足するに違いないという想いなのだろうし、その想いを強くして聴いてみて期待通りの音楽がそこに ...
片想い『Party Kills Me (パーティーに殺される! )』
【自分が唄うことよりも音楽そのものが尊い】
シンガーやバンドが陶酔しながら「僕は唄っているよ〜♪僕の声が届くように〜」みたいに、自分が唄うことについて歌っちゃう曲に、私が感じる気持ち悪さの正体が分かりました。結局「自分大好き」な、お前の自己愛じゃん。
片思いの『Pa ...
シリカ『拝啓、或る夕焼けに』
【なんかそういうがむしゃらさ、止まらねえぜ的な勢い】
音楽を聴いていて、いくつもの要素が複合して「凄いな」という感動が生まれるのだけれど、その中のひとつに勢いというものがある。言葉にすれば簡単なのだけれど、一言で勢いといっても単純な話ではない。大きな音を鳴らせばいいのか。演奏速度を速めれ ...