MIGMA SHELTER『Compression: Free』【精神性の高いサイケデリックトランスと降霊会のようなパフォーマンス】
リバース338について話そう。3はベース自動伴奏機材TB-303から。アナログ楽器を超越したアシッドなシンセベースとステップ入力は、広いジャンルの中でもテクノのクリエイターが使いこなした。8はリズムマシンTR-808。この303 ...
フィルフリーク『生きてる』【当たり前に生きるということがどういうことなのかを問うてくる1曲】
当たり前に生きるということがどういうことなのかを問うてくる1曲。「誰か不幸になると自分じゃなくて良かったなんて幸せを感じていた」と歌う。その誰かの不幸はたまたま誰か別の人にあたっただけで、次に自分がそうなったりしないなんてことは誰も断 ...
Jordan Rakei『Say Something』【うまみを逃さないように低温で調理した、一流の料理人の一皿、みたいな印象】
オーストラリア出身だが、現在はロンドンを拠点に活動するJordan Rakei。サウスロンドン界隈のアーティストと交流を築き、この熱いシーンにおいても存在感を示している。この曲はもちろん、アルバム全体を通して、職人的かつ丁寧な作業が成 ...
BiSH『DiSTANCE』【生き残っていくための、他との差異を打ち出す必要性】
アイドルグループというカテゴリーを頭に思い描いてしまうと、もうそのカテゴリーに属するといわれる人たちの中にあるはずの違いを理解しようという努力を放棄してしまう。それはロックバンドというカテゴリーを頭に描いて、ロックバンドをすべて同じも ...
緑黄色社会『幸せ』【難しいその些細な積み重ねをきちんとやりさえすれば、結果は出せるのだ】
緑黄色社会についてレビューしたのはもう2年半も前のことだ。レビューを1度しても、その後活躍がなければバンドの名前を目にすることはなくなる。SEARCHタブをクリックした先にはたくさんのバンド/アーチスト名が並び、それらのすべてをレビュ ...
TETORA『今日くらいは』
【やもやとした壁を取っ払ってくれる、ライブ映像が与えるインパクト】
TETORA、最近MVをたくさん公開している様子。最初にレビューしたのはずいぶん昔のような気がしてたが実際は昨年の9月で、まだ1年も経っていない。それからしばらく忘れてたら北沢東京氏が同じ曲でレビューしたのが今年の4月。同じ曲じゃなく ...
raciku『kakashi』【何故だろう、何故だろう。もう説明することは完全に諦めるので】
関西を中心に活動するracikuというバンド。彼らのこの曲、なぜか響く。どこがどう響くのかということを具体的に書くのがレビューというものだろう。それはよくわかっている。しかし、それを具体的に書こうと思ってもうまくいかない。考えて考えて ...
Muvidat『19 Years』【そこに在るためにもがきながら今を生きているロックバンドの姿そのもの】
シンプルで切ないロックナンバー。ロックといいつつもポップな一面も持っている。このMuvidatは2017年をもって無期限の活動停止になったSHAKALABBITSのメンバーUKIとMAHが結成したバンド。シャカラビが活動を停止した時に ...
slowthai『Inglorious ft. Skepta』【現在のイギリスに対する思いが伝わる、意味深で、挑発的なデビュー作】
先日のグラストンベリーでのライブでは、強烈な盛り上がりを見せたslowthai。イギリス、ノーサンプトン出身のラッパーだ。デビュー作は、エネルギーがほとばしりまくる刺激的な内容となっている。アルバム名が「Nothing Great A ...
Bacon『スタンドバイミー』【きっと彼らは過去を引きずりながら生きる派の人】
この学生服の似合わないこと。いや、似合わないのか、似合い過ぎているのか。中学生高校生なんて大半がこんなダサさじゃないだろうか。そうだそうだ、本当にダサくてリアルだ。学生服が似合わないのではなくて、学生服がダサいのだ。こういうダサさを表 ...