ab initio『歓喜』【得られるものと失われるものとのバランスをどう見るのか】
静かなテイストのサウンド。歓喜というタイトルからはもっと劇的な感情の起伏がある楽曲なのかなと想像したけれど、そんなこともなく淡々と。淡々とした曲というのは必要とされるシーンが必ずあるもので、特定のシーンに特定の曲を提供しようと考えてい ...
osage『ウーロンハイと春に』【展開がきっちりあって飽きないのであれば、長いイントロも苦にならないよ】
イントロに48秒。4分8秒の曲でイントロが長くないかと普通なら思う。音楽が氾濫している昨今、イントロをちゃんと聴いてくれる人なんてわずかで、30秒聴いてピンとこなかったら次に行く。既にファンなら別だけど、見知らぬバンドに長々と付き合っ ...
おいしくるメロンパン『命日』
【それでさえ忙しい日常の中ではうっかり忘れてしまうことは普通にある】
冒頭から死んだ友達の命日も思い出せなくなってたという歌詞が放たれてて。曲のタイトルでもあるその単語が、じゃあ曲全体のテーマとかイメージをリードする何かなのかというとどうもそんなことでもなさそうで。まだ若いバンドの彼らにとって本当に友人 ...
King Gnu『白日』
【一貫してトボケたテイストを前面に押し出してきた彼らのバンド性】
想像の数段斜め上を行きまくるKing Gnu。先日のMステでも盛大にやらかしてくれたそうでネットでも話題になっていたが、直後にこのMVを公開。おいおい、Mステでやらかしバンドと思って辿り着いた人たちを盛大に裏切ってくれて、Mステ前から ...
Wasilla『シンフォニー』【シンプルな、日常の幸せ】
春は別れの季節だと思うが、実際には別れに直面している人ってそんなにいないのかもしれない。災害のニュースなどを見ると被災地一帯の人たちが全員困窮していると思いがちだし、困窮している人は本当に深刻なのだが、一帯の人が全員というのは完全な誤 ...
フレンズ『地球を越えても』【緩さと爽やかさが曲全体に溢れてて滲んでるパーティーバンド】
宇宙人設定なのだろうかフレンズ。地球を飛び出してどこかの星のパーティーに潜入してもすぐに馴染んで楽しんでで、結局ステージに上がって演奏しちゃうって、前回レビューした『常夏ヴァカンス』とまったく同じで。同じといってもそれはマイナス評価を ...
Landfill Crew『Landfill Crew』【架空のアニメバンドによる、肩の力が抜けた自然なロック】
RancidのTim Armstrong率いる、架空の80’s風アニメーションパンクバンド。その設定、どうしてもGorillazを想起してしまう。そちらは3Dホログラムとしてステージに登場した挙句、今やDamon Albarn本人が堂 ...
ACE COLLECTION『Lady』【曲を全速力で駆け抜けていく。その怒濤ぶりが実に心地良い】
切れが良い。スペーシーなサウンドだなあと一瞬感じたが、サウンド自体は特にスペーシーな要素がそんなにあるわけじゃなくて、ボーカルの声質、これはエフェクトの影響も大きいのか、そうじゃないのか判らないけれど、この声質がそう感じさせる源だと理 ...
ヒカシュー『放射能(Radioactivity)』
【今日であれから8年。どのくらいの人がまだあの日のことを覚えているんだろうか】
今日であれから8年。この間さまざまな災害が世界中を襲って、その度に多くの人が死んだり被災して住処を失ったりしてきて。でもまあ自然に文句を言うわけにもいかず、だって雨が降る時は降るし、地震だって起きる時は起きる。その責任を誰に押し付けれ ...
MONKEY MAJIK × 岡崎体育『留学生』
【岡崎体育の本領発揮、そしてMONKEY MAJIKの秀逸アルバムへと】
異色の組み合わせはNHK朝ドラ『まんぷく』で、主人公を逮捕した進駐軍のMP役で共演した3人ということで。ドラマのことも話題になったが、やはり彼らの主戦場は音楽だなというのを遺憾なく発揮したこの曲MV、めっちゃイイ。日本語詞を英語風に歌 ...