ゲスの極み乙女。『だけど僕は』【言いたい事はわかるけど、わかったらもう終わりさ】
あの騒動以来叩かれて、一方の当事者が公に謝罪を要求されて干されているのに音楽活動を淡々とするのはどうなのかという批判に晒され。あれはいつの出来事だったのだろうか、単に過去の話というだけになってしまった。その騒動についての是非を問うのは ...
Leonardo Marques『The Girl From Bainema』
【花も枯れれば、音楽もずっとは鳴り続かない】
フラワーショップに行くのは楽しい。その時々に並ぶ花の香りと店内のBGMと贈り物を選ぶ人たちの雰囲気が優しくなっているようで、最近ではプリザーヴド・フラワーのような半永久的に枯れない花より、ソープフラワー、つまりは石鹸できた花が目立つ。 ...
Paul McCartney『My Valentine』【贅沢の極みともいえる曲とMV】
バレンタインデーにそれっぽい曲をと思うと、国生さゆり『バレンタインデーキッス』がこれが思い浮かぶ。国生さゆりのでもいいんだけれど、今回はこれにしときたい。終始暗いムードのテンションで歌われるのだが、歌詞は愛と希望に満ちた力強いもの。そ ...
White Lies『Tokyo』【やんちゃしてた頃の仲間と会った感覚になれる「ザ・UKロック」】
いかにも、UKロックだな、という第一印象だ。しかも「一昔前」の。と言っても、ネガティブな意味合いはまるでない。ダークさとポップさが心地よく混ざり合うバンドの音とメロディ、そこに低音のボーカルが響くように重なり、頭から離れない。この「顔 ...
毛玉『雨降りの午後に珈琲を』【つかの間のどっちつかずな時間帯のブレイクを許してくれるよう】
この雨が上がる前に 決めなくちゃ 大事なこと
電気ケトルが不安をあおって お湯を沸かす
(「雨降りの午後に珈琲を」)
珈琲は飲めないが、紅茶、ハーブ・ティーとサンドイッチなどでブレイクをする時間が欠かせず、 ...
The Echo Dek『City Light』【君は昼も夜も街を行く、そんなの結局ろくなもんじゃないよ】
シティライトというと勝手にシティポップかと思い込んでしまう。いやこの曲がシティポップなんだといわれればそれを否定するつもりはないけれど、僕の中ではポップじゃないと思うし、じゃあロックなのかというとそうとも言い切れず。よく判らないなりに ...
米津玄師『Flamingo』【所在なさ、変わらなさにこそ頼もしさをおぼえる】
遊女に誑かされた一人のか細き青年が足を引き摺りながら、地下を巡る。様々な解釈はすでになされている意味ありげなMVで、それは個々で考察してもらった方がいいが、私的には吉行淳之介な風趣と阿部公房のひずみを感じたりもした。澄み切った闇に滞る ...
Spangle call Lilli line『mio』【その影響をあからさまではなく、濃霧のような音像にアートとして溶かして】
今でさえそのプロジェクトのために様々なメンバーたちが集まって一つのオブジェのような何かを作るというのは珍しくなく、インスタレーションとしての表象行為として音楽がライヴでの再現可能性を迂回して成り立つこともある。即興とポスト・プロダクシ ...
BABYMETAL『紅月 -アカツキ-』【ひしひしと感じたのは、ヘヴィメタル愛と、ルーツに対する尊敬】
「Su-metalですっ!」っていう挨拶がおぼつかない頃から、逆輸入に至る大きな現象は痛快だった。なによりも、全部が「好き!」で渦巻いていることのパワー。中の人が「おまえらこういうの好きなんだろ」なんて運営感は微塵も無く「俺たちホント ...
The Faint『Child Asleep』【ダンサブルで最高な曲調といただけない映像】
エレクトロパンク、という呼び方でくくられていた時期があった気がするが、今もそれでいいのだろうか。まあ、ざっくりと言えば、激しい電子音でごりごりに躍らせる、みたいなイメージのやつだ。彼らは20年以上も活動しており、ダンスロックバンドの老 ...