土岐麻子『Black Savanna』
【捨て去ることで、永遠に手元から失われる何かというものは確かにある】
土岐麻子の新譜を聴いていて。ひっかかるのは「Cry For The Moon」という曲だった。人間生きているといろいろなものを所有していく。所有はそれ自体喜びだが、その喜びが増えていけば増えるほど自らを縛る。持つことによって狭くなる部 ...
IIVU『UP&DOWN』【過去の音楽と比較して批判するような旧い世代はもう過去の音楽に閉じこもっていればよろしいのであって】
どこか懐かしいなと感じるのはその懐かしい元となる時代に生きていたということの現れで、その頃に生まれていなかったり音楽と接していなかった人はそんな感覚を覚えたりしないのだろう。IIVUというユニットの音楽を僕は懐かしいと感じる。ではその ...
前川清『長崎は今日も雨だった』【盤石な位置にいる、これぞ「ザ・ご当地ソング」】
「ご当地ソング」というのは量産されていて、ゆるキャラも増えていて、なかなか温度差がある。そんな中でもこの曲は盤石な位置にいると思える。前川清という存在とともに。あまたの思惑に惑わされているのは当の住人で、長崎に久しぶりに行った際にさだ ...
August Greene『OPTIMISTIC feat.Brandy』【この並び、ずるくないですかと言いたくなるスーパーユニット】
当初、Amazonでのデジタル配信でしか聴けなかったが、Spotifyでも配信された。これは朗報。MVはこれしかないので(やたらとかっこいいライブセッション映像も見られるが)、今回はこちらの曲をご紹介したい。August Greene ...
メメタァ『僕がメガネをとったら』
【ああ、これはアンサーソングだ。いや多分違うのだけれど】
ああ、これはアンサーソングだ。いや多分違うのだけれど。昨年3月にこのメメタァの『ハイライト』という曲のレビューを書いて、メガネボーカル西沢くんのことを「平成の大江千里」と呼んでしまった。別に僕だけじゃなくてみんなが言ってるのだろうし、 ...
SonoSheet『擦れ違う街』
【梅雨があけた夏本番にこそ聴きたい、浜省的ロックサウンド】
バンドのマークと思われるマークをお面として顔につけて街を歩くシーンとスタジオでの演奏シーンが交互に映されるミュージックビデオ。このスタジオがめちゃ狭い。これはスタジオなのか?普通のワンルームマンションの方が広いだろう。倉庫スペースなの ...