スムージチークス『バースデー』【だが、そんな人こそ誕生日は祝うべきなのだ】
誕生日は毎年くるけど、何でそんなに祝うのか。そもそも祝うってなんなのか。ちょうどその日が仕事で忙しいとか、体調が悪いとか、ツキに見放されたどん底の真っ最中とか、そんなことでも容赦なく誕生日はやってくる。忙しいのに時間割きたくないよ、お ...
SPANK HAPPY『夏の天才』【根を張らず身軽に、適度ないい加減で軽やかに颯爽と、飄々と】
気付けば、日本語を忘れてゆく。もっと精緻に脈絡を足すと、日本語の雑さを忘れて、行間を愛でるようになった。行間に侘び寂びや無常観や、アイドリングがあるはずなのに、そこさえも埋め立ててゆく直截的な政治性を帯びた言い方に中る。だから、英語や ...
クアイフ『さよならライアー』【変わっていくことで、変わらない自分たちの何かを確認するような進化】
クアイフがどんどん変わっていく。そりゃそうだ、誰だって変わっていく。変わることは悪いことではない。その変化の中でどれだけの確固としたものを手放さずにいるのかを知るためには、むしろ変わっていかなければならない。自分を知るということが、変 ...
two days market『Strangeman’s world』【高排気量のエンジンで高速走行をする時のような、安定した声の伸びが心地良い】
沁みる歌。すべての音域で安定的にスーッと伸びる声。肺活量が十二分にあるのか、きちんとしたトレーニングを経ているのか。ささやくように泣くような声での歌も悪くないが、こういう力強い歌はやはりいい。軽のような排気量が小さなエンジンで高速を走 ...
テンピエン『夜、自転車と』【ジャラジャラした音の、コンパクトなロックの疾走感】
イントロからギターの音がザラザラ、いやジャラジャラしてて、歌が始まると歌声もジャラジャラしているような気がしてくるから不思議だ。音質が良いのと悪いのとどちらが良いのかといわれればそりゃあ良い方が良いに決まっているけど、じゃあ何が良い音 ...
Friendly Fires『Love Like Waves』【久々の復活! 胸がときめくロマンチックさも健在】
アクションゲームをしていると出てくる概念、それがフレンドリーファイヤーだ。やたらと下手なわたしは、味方が一番の敵だった、みたいな感じで、仲間にダメージを与えまくっている。そんな常時フレンドリーファイヤー状態なので、Friendly F ...
Nakanoまる『笑う女の子』【自分の笑顔を後悔するほど惨めなことはない】
19歳の子を面接採用。試用期間後まだ働きたいということで、社長や幹部等の組織で席を追われない権力者からセクハラを受けた場合の対策講座をしました。偉い人は立場を利用して下ネタの許容耐性を試す。生活を失う訳にはいかない女の子が嫌悪しながら ...
ハローモンテスキュー『あなたと。』【ボカロなのか生歌なのか。その境界線で歌われる自由な表現】
強くないボーカルの歌。強くないという言い方は的確ではないかもしれないけれど、首に血管を浮立たせるようなシャウトとは明らかに違った、あえて弱いテイストを狙っているのではないかと思えるようなタイプの歌。こういうのを耳にすると、初音ミクなど ...
梶芽衣子『凛』【71にして凛とした姿勢で、かつてのファンだけじゃない世界戦略なのか!】
梶芽衣子、ニューアルバムをリリースしたらしい。梶芽衣子ですよ、梶芽衣子。いつの人ですか一体。調べたら71歳。これがどのくらいかというと、例えばアンルイスが2018年現在で61歳。ユーミンが64歳。都はるみが70歳。で梶芽衣子が71歳。 ...
スロロリス『hurdie gurdie.』【難しいジャンルのことは一旦忘れて、まあ聴きなさい】
美しい曲。彼らのHPには「ポストロック、シューゲイザー等を中心に」と書いてあって、それ自体は別に珍しいことではないのだけれど、そういう表現を見るたびに、そのジャンルは一体どういう音楽のことなのだと考えてしまう。一般的にはポストロックと ...