山本達彦『夜のピアノ』【当時家にあったプロモーションカセットを繰り返し繰り返し聴いたよ】
80年代にいくつかのヒットを飛ばした山本達彦。コーセー化粧品のタイアップに起用され、当時母が化粧品店を経営していた関係で家に山本達彦の曲が数曲入ったプロモーションカセットがあった。音楽ソフトが高かった当時、聴けるものはなんでも聴いてい ...
Bakyun the everyday『TOKYO!!!』【素晴らしきニセモノ空間東京よ永遠なれ!】
東京について歌う曲が多いのは、そもそも人口が多いのに加えて、若者たちがこぞって東京に向かうからでしょう。過大な夢を抱いて向かい、現実はそんなに夢など実現しないということに気付く。しかし感覚が敏感な年頃に体験と記憶を重ねた街に対して思い ...
Apple O’『ハッピー』【その辺に自然にある風景の中に潜んでいる価値ある風景のような音楽】
ポップミュージックって一体なんだろうといつも思ってて、頭の中で漠然とした定義はあるのだけれども言葉でそれをハッキリさせることは出来ていない。でも曲を聴いて「これはポップだ」「これはポップじゃない」と判断することは出来る。Apple O ...
Tom Misch『Water Baby (feat. Loyle Carner)』【何かもう圧倒的な「完成」っぷりを感じさせる若き天才】
ものすごい新人が現れたことに間違いはないのだが、弱冠二十二歳、というような表現は、むしろその才能を貶めているのではないだろうか。それほどまでに、何かもう圧倒的な「完成」っぷりを感じさせる。とにかくモダンでおしゃれ。派手すぎないバランス ...
LotusLounge『Future Days』【この子も今ではおおきくなって、達者に親子喧嘩などしてると思う】
東大生でも正答率約3割のテスト「自分の母親に関する100問を解く」というのが面白かった。「あなたの母の学生時代のあだ名は?」「あなたの母が無人島に一つ持って行く物は?」など、お母さんのことをどれだけ知っていたか。何かの小説に、結婚相手 ...
松本かつひろ『DAIJI』【答えはやはりまだまだ霧の先の中にしか無く】
facebookで誰それが誕生日ですよと日々教えてもらう。知人が幾人か亡くなり、その人のタイムラインに誕生日ごとに「誕生日おめでとうございます」というメッセージが並ぶのをみて、ああ、こういう愚をしてはならないなと思うようになって、fa ...
小島麻由美『泡になった恋』
【平成も終わって、昭和歌謡というジャンルは歴史の向こうに行ってしまうのだろうか】
昭和歌謡ブームというのが1990年代中盤に沸き起こった。沸き起こったというのはちょっと違うかもしれない。すでに趣味の多様化が起こりつつあった頃なので音楽シーン全体を覆うようなブームではなかったけれど、一部の音楽ファンの中ではレトロな歌 ...
白いベランダ『街の白い手』
【こういう音楽に出会うということは、ラッキーなことだなあ】
この会場は一体どこなんだろうか。壁があって、吸音ボードのような穴があいた板が組み込まれていて、そこに額をいくつか掛けてあって。額を掛けたら吸音効果が失われるんじゃないのかとか思ったりもするけど、そんなことはおかまいなしなんだろうね。そ ...
バレーボウイズ『ひがしのまち』【きっとトガった何かを抱えているんじゃないかなあと期待しちゃう合唱バンド】
不思議な熱を帯びている歌だ。彼らのHPには「昭和歌謡テイストなメロディといなたい歌詞」という言葉がある。この歌を「昭和歌謡テイスト」というにはちょっと無理がある。昭和歌謡っていったい何なんだろうか。もうすぐ平成も終わる。次の元号になれ ...
Courtney Barnett『Nameless, Faceless』
【ゆったりとしたテンポ、力みのなさそうなボーカルがこれほどまでにかっこいい】
Kurt Vile(以前レビューで取り上げた)との共作もすばらしかった彼女がオリジナルアルバムを近々発売する。その先駆けとしてシングルを公開。まるで気張っていない曲なのに、やたらとかっこいい。ごりごりに力が入っているよりも、緩みのある ...